クラシック音楽の敷居の高さにときどき躊躇する方というのは多いんじゃないかと推測します。実は当方もそのクチでして、聴けばそれなりに楽しいのに、のめり込むほどになったことがあまり無いんです。でもその「それなりに楽しい」のキッカケというべき機会は巷に豊富に溢れていますよね。というわけで当方は、こんなカンジでムソルグスキーに親しんだりしています。今回の聴き比べのお題はもちろん「展覧会の絵」から「THE OLD CASTLE」です。我ながら邪道、ですよね。でも楽しいですよ。(2012年5月11日更新分/選・文=大久)
Berlin Philharmonic Orchestra conducted by Karajan / Ilvecchio Castello (1986)
もちろん「展覧会の絵」はラヴェル編曲によるフルオケのバージョンが一番有名ですよね。というわけでカラヤンの指揮によるベルリン・フィル1986年の映像。余談ですが、年末年始になると東京MXテレビではカラヤンのコンサートを連日バンバン放送するわけですが、ご覧のように重々しい映像(ただしこの音と映像はアテフリだとのこと)でして、とても厳粛なムードにさせられます。
Emerson, Lake And Palmer / The Old Castle (Blues Variation) (1971)
ELPが「展覧会の絵」をまるまるレパートリーにしていたことは、そんなにプログレ・マニアでもない当方でも昔から知ってましたが、いざ聴いてみればこんなカンジのヘヴィー・サイケなオルガン・ロックだったわけで、スンナリと楽しめましたね。生粋のキザ野郎、キース・エマーソンは、当方がお会いした時はすっかりフクヨカなオッチャンでしたが、最近も日本の某雑誌編集長に恋の悩み相談をするくらい(笑)少年の心をもったロック・スターです。
Isao Tomita / The Old Castle (1975)
シンセサイザー奏者、冨田勲が1975年に編曲した「古城」のシンセサイザー・バージョンです。おそらく当方の百倍くらい濱田編集長がお詳しいハズですが、もともと1966年、手塚治虫が「展覧会の絵」からインスパイアされた実験アニメーションを制作した際に冨田勳は管弦楽バージョンとして同曲を編曲し、そのアニメのために提供しています。そちらの手塚アニメ版は現在手塚プロ公式HPにて見る事ができます。
Orlando Riva Sound / Disc Mussorgsky (1977)
ドイツのシンセ・ディスコ・ユニット、ORSは、アマンダ・リア、ジョルジオ・モロダー、後にはラトーヤ・ジャクソン等とも共作をしたクリエイター、アンソニー・モン率いるユニットですが、彼らの77年のデビュー盤『MOON BOOTS」にこのムソルグスキー「古城」のディスコ・アレンジ曲が収録されています。同盤はアメリカではサルソウルから発売されクラブ・ヒット。2001年にイタリアのメリディアン・プロジェクトというフィルター・ハウスのアーティストがこの曲をサンプリングしています。
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