ペギー・サンティグリア、という名前を聞いてピンと来る方はかなりのオールディーズ・ポップス・ファンだろうと思われます。1944年生まれの、伸びやかな歌声と愛らしいルックスを持った女性シンガーですが、一般には「ほんの一瞬だけ」脚光を浴びた存在、と思われているかもしれません。実は長きにわたり、しかも幅の広い音楽を残した彼女の曲をいくつか集めてみました。(2012年7月6日更新分/選・文=大久)
The Delicates / Black And White Thunderbird (1959)
当時15歳。幼少の頃からの友人3人で組んだコーラス・グループ、デリケイツは、ルイ・プリマのマネージャーだったテッド・エディーに見出されデビューすることになるも、ヒットには至っていません。59年発表のこの曲は、後にフランク・シナトラとの仕事で有名になるドン・コスタのプロデュース。当時のブームに便乗したいわゆるホットロッド・ポップスですね。
The Angels / My Boyfriend's Back (1963)
62年、彼女はフィリス&バーバラ・オルバット姉妹(当時スターレッツというグループで歌っていた姉妹)から「一緒にグループを組まないか」と誘われて、その新しいグループのリード・シンガーになります。それがエンジェルスで、61年のデビュー曲「Til」(57年パーシー・フェイス作のバラード・カヴァー)がヒット、そして63年のこの曲が全米No.1ヒットとなったことでペギーは人気シンガーとなりました。動画はエド・サリヴァン・ショウに出演した際のライヴです。
Dusk / I Cannot See To See You (1971)
エンジェルスの名声はそれほど長くは続きませんでしたが、70年、ダスクという新しいグループのリード・シンガーとしてペギーは活動し、音源を残しています。ダスクは当時のベル・レーベルが「第2のトニー・オーランド&ドーンを目指して」組んだグループで、シングルを3枚発表しています。しかしヒットには恵まれず、ペギーは後に「ドーンのメンバーにならないか」というオファーを受ける事になります(彼女はそれを拒否しましたが)。
Fantasia / Fantasia - Carnival Medley (1978)
どういう経緯かは不明ながら、78年に発表されたファンタジアというユニットのアルバム「SWEET, SWEET, CITY RHYTHM」は、ペギーのヴォーカルをフィーチャーしたアーバン・ディスコ・アルバムでした。TKレコード傘下のアマゾンというレーベルから発売された本作は、サルソウル作品で有名なゲイリー・クリスのプロデュース。このメドレーの前半はほとんどゲイリー・クリス「BRAZILIAN NIGHTS」そっくりですが、ディスコの名曲中の名曲としてこちらも今は知られています。
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