1974年。シャルル・ド・ゴール空港が開港し、ルバング島で小野田少尉が発見され、ドリフに志村けんが加入し、ウォーターゲート事件が起こった年。そんなことと全然関係はありませんが、たまたま74年にはとんでもなく素晴らしいTVライヴ映像がたくさん残されており、なぜか不思議なことに、今の時代を生きる我々はそういう動画を見る事ができるという幸運な星の下に暮らしています。折角の幸運なので、一挙に掲載してみました。長尺モノもありますが、お時間のある方はじっくりとお楽しみいただければ幸いです。(2013年8月2日更新分/選・文=大久)
King Crimson Live at French TV (1974)
この動画を見ずして死ぬわけにはいかない、と見てから思いました(笑)。クリムゾンの74年フランスTVライヴ、30分のフル・ヴァージョンです。曲は「LARKS' TONGUES IN ASPIC PART 2」「THE NIGHT WATCH」「LAMENT」「STARLESS」。フリップ、ウェットン、ブラッフォード、そしてデヴィッド・クロスという最強/最狂のクリムゾンですが、何よりもカメラ目線のフリップ先生に一番恐怖を感じます。この映像はバンドの40周年記念『RED』特別仕様盤で、オマケDVDとしてソフト化されました。
Barry White & Love Unlimited Orchestra / Love's Theme (1974)
74年、アメリカの有名TV番組「MIDNIGHT SPECIAL」に出演したバリー・ホワイト(彼のあだ名が「BABY MAKER」だというのも、なんかエロかっこイイですよね)指揮によるラヴ・アンリミテッド・オーケストラが、デビュー曲「愛のテーマ」を生演奏しています。有名なヒット曲なのでこの曲のライヴ動画はいくつかありますが、レコード・アレンジに近いこのTVライヴがいちばんカッコよく思えます。
Stevie Wonder Live at Musicladen (German TV / 1974)
アレサ、カーティス、ダニー・ハサウェイには「ライヴの名盤」があるのに、なぜスティーヴィーにはないんでしょうか?今も世界の7不思議のひとつですね。そんな彼がドイツのTV番組MUSICLADENに出演時のライヴ、30分のフル・ヴァージョンです。曲は「JAM」「CONSTUSION」「HIGHER GROUND」「DON'T YOU WORRY 'BOUT A THING」「I CAN SEE THE SUN IN LATE DEC.」「HE'S MISSTRA KNOW IT ALL」「LIVING FOR THE CITY」「SUPERSTITION」。デニース・ウィリアムスがコーラスで、マイケル・センベロがギターで参加。
UPP feat. Jeff Beck / Down In The Dirt (1974)
74年イギリスBBC TVの「スーパーギタリスト」シリーズに出演した時のジェフ・ベック。ですが、この時はバック・バンドにUPPというジャズ・ファンク・バンドを従えて出演し、曲もUPPの持ち曲「DOWN IN THE DIRT」を演奏しています。70年代中期の最高にファンキーなジェフ・ベックを捉えた最高の動画、と個人的には思っていますが、実はバック・バンドの演奏がとても素晴らしくて、ジェフ・ベックのアラのほうが目立ってしまう、という、ちょっとだけ寂しい(笑)動画でもあります。
Headhunters Live at Musicladen (German TV / 1974)
さて最後はこちらもドイツMUSICLADEN出演時の、ハービー・ハンコック率いるヘッドハンターズのライヴ、フルで1時間あります。曲は「PALM GREAE」「SLY」「BUTTERFLY」「SPANK A LEE」「CHAMELEON」。もし宇宙人がやってきて「おい地球人、ファンクてのは一体なんなのだ?」と聞かれたら、この動画を見せておけば問題ないハズです。実は74年は、日本では松鶴家千とせが例のギャグでブレイクした年でもありますが、この動画のハービーを見てそのことを思い出すのは、さすがに失礼な気もしますね(笑)。
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