以前RUMERという女性シンガーによるバート・バカラック「サンホセへの道」のカヴァー動画を紹介した際に「バックはオランダのメトロポール・オーケストラ」という記述をしました。で、今回の放送局は、そのメトロポール・オーケストラ特集となります。オランダのみならず、実は世界でも最も有名なフルタイム・オーケストラのひとつである彼らは1945年にオランダ公共放送専属楽団として活動開始、ジャズやポップスとの共演活動で60年にもわたって第一線で活躍する彼らのライヴ動画を集めてみました。(2013年11月1日更新分/選・文=大久)
Steve Vai with Metropole Orch / Liberty (2005)
「ド変態」という素敵な称号を常に頂戴する、変態界の超名門フランク・ザッパ・バンド卒業生でありながら、なぜか全うなギター・ヒーローになってしまった(笑)スティーヴ・ヴァイ。2005年にメトロポール・オケと共演した模様は、CDやDVDでも発売されていますが、こちらはその中の1曲。ヴァイのソロ・キャリアを確固たるものにしたヒット作『PASSION & WARFARE』のオープニング曲を、オーケストラとともにゴージャスに披露しています。
Gino Vannelli with Metropole Orch / Brother to Brother (2002)
いきなりですが、これ最高です。ジノ・ヴァネリ78年の名曲「BROTHER TO BROTHER」。近年も変わらぬ美声を披露するジノ・ヴァネリですが、60人からのフル・オケでフュージョンの名曲を繰り広げる、という豪華絢爛な共演を見せてくれます。しかも、郷ひろみバリに踊りまくるジノ・ヴァネリ、お若いですね。
Pat Metheny with Metropole Orchestra / First Circle (2003)
ECMからの最後のリリースとなった84年のアルバム『FIRST CIRCLE』は、彼にとって(当時)最大のヒットを記録しましたが、充実した演奏力とアレンジ力は、こちらの03年オーケストラ版でも健在。03年のノース・シー・ジャズ・フェスティヴァルにて、パット・メセニーはメトロポール・オーケストラを従えて出演していますが、こちらはそのライヴの中からの1曲。これもホント最高ですねえ。
Chaka Khan with Metropole Orch / I Feel For You (2010)
こちらはTV放送された、2010年のチャカ・カーンとの共演ライヴ。もちろん生演奏ですから、初期ヒップホップ的なギッチョンギッチョンのデジタル・アレンジを望むべくもありませんが、ちゃんとゴージャスなソウル・ジャズ・オーケストラ・アレンジになっているあたりはさすがです。チャカはジャズ・クラブでのライヴを数多くこなしてることもあり、ジャズ系の名演も多く残っていますが、個人的にはやはりこの曲はハズせませんねえ。
Basement Jaxx with Metropole Orch / Samba Magic (2011)
メトロポール・オーケストラは、ほんとに「どんな相手でも」共演しちゃいます。そこがやたら格式を重んじる他国の楽団とは異なるんです。こちらは2011年、クラブ界隈を鳴り物入りで闊歩するスター・クリエイター・チーム、ベイスメント・ジャックスとの共演動画。オケのアレンジもベイスメント・ジャックスがみずから担当したこの共演は、同年XLレコーディングからライヴ盤CDとして発売されています。ブラジリアン・ハウスを演奏する交響楽団、というなかなかお目にかかれないケースですよね。
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