クリスマス特集・第3弾。今週はイギリスではもはや超定番クリスマス・ソングとして知られる「I BELIEVE IN FATHER CHRISTMAS」という曲のカヴァー聴き比べです。作詞ピート・シンフィールド、作曲グレッグ・レイクによる、オリジナルの75年版はこちらで聴けます。では行ってみましょう。(2013年12月20日更新分/選・文=大久)
Greg Lake & Ian Anderson / I Believe In Father Christmas (2005)
ご本人のバージョン、ですがちょっと特別な録音物となります。2005年、自身のソロツアーの模様をおさめたDVDに収録されていますが、こちらはツアーとは別に、ロンドンにあるセント・ブライド教会という所で、ゲストにジェスロ・タルのイアン・アンダーソン(フルート)を迎えて録音された「教会音楽バージョン」とでも言えそうなもの。グレッグ・レイクの容姿や演奏はともかく、荘厳なコーラスは素晴らしいの一言ですね。
Toyah / I Believe in Father Christmas (1982)
 女優としての人気が主ですが、シンガーとしてもエキセントリックなパフォーマンスと表現力で人気だったトーヤ嬢。もちろん日本ではキング・クリムゾンのロバート・フリップ夫人としても知られますが(そういえば、最近こんな 英国版「オモロイ夫婦」に出演したことでもプチ話題となりましたね)、旦那さんの復活話は機会を改めるとして、こちらは82年にTVのXマス特番「POP GOES CHRISTMAS」に出演した際のトーヤ嬢。
Sarah Brightman / I Believe In Father Christmas (2008)
 サラ・ブライトマン。既に皆さんご承知のように元アンドリュー・ロイド・ウェバー夫人ですが、実はその前、まだミュージカル・シンガーになる前は音楽番組「TOP OF THE POPS」所属のヒラヒラ・セクシー・ダンス・グループ 「パンズ・ピープル」の一員だったこともあります。そんなプチネタはともかく、こちらは08年に彼女が発表したクリスマス・アルバムからの1曲。
Randi T Egeland / I Believe in Father Christmas (2010)
 同曲のカヴァーの中で、最も知られてない部類であろう(笑)カヴァー・バージョンです。ノルウェー出身のシンガー、ランジ・イーゲランドさんによるカヴァー。クラシック(ソプラノ)の声楽を学んだ女性シンガーで、2010年に自身名義でのクリスマス・アルバムをダウンロード・オンリーで発売していますが、その中の1曲。とはいえ、当方もついさっきご本人のFACEBOOKで知ったばかりですが。
U2 / I Believe in Father Christmas (2008)
 で、こちらはおそらく最も有名なカヴァー・ヴァージョン。ボノが主導するアフリカ難民のエイド企画として発売されたものです。余談ですが、この元曲を作詞したピート・シンフィールドによれば「あまりにも加熱する[クリスマス・シーズンのビジネス化]にウンザリしてるが、クリスマスそのものを否定する歌ではない。子供の頃の無垢な心を失ってしまうことへの警鐘」とのこと。THE EDGEはここでも付点8分ディレイを使うあたりが、さすがです。同曲は メイキング・ビデオも公開されています。
Susan Boyle / I Believe in Father Christmas (2013)
 最後は、昨日発売されたばかりのスーザン・ボイルのクリスマス・セレブレーション・アルバムより。そしてつい最近も彼女が「アスペルガー症候群」であることを公にし、世界中に大きくそのニュースが伝えられましたが、やはり彼女の場合は「歌が彼女を救った」という事実に間違いないと思われます。もちろん病気という意味でもそうですけど、それよりもデビューの経緯を含めて、の意味で。
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