ヘンテコなギター特集。今回は「ダブルネック・ギター」の特集です。ある意味ロックの代名詞的な存在とも言えるダブルネックですが、ツェッペリンやイーグルス、ウイングス(デニー・レーン)、オフコース他、多くのロック・レジェンドが手にした楽器にも関わらず、昨今はその使い手をすっかり見なくなりましたね。そんなダブルネックを実際に使っているシーンを集めてみました。(2014年10月10日更新分/選・文=大久)
Larry Collins / Hot Rod
ダブルネックが初めて開発されたのは1958年、ギブソン社によってですが、当時それほど有名な使い手がいたワケではありません。TVパフォーマンスでダブルネックを使いこの楽器に注目を集めたのはジョー・メイフィスというカントリー・ギタリストですが、こちらはジョー・メイフィスとのコンビで売り出された天才少年カントリー・シンガー、ラリー・コリンズ。それにしても、中にオッサンが入ってんじゃねえの?ってくらい大人びてますよねえ(笑)。 Led Zeppelin / The Song Remains The Same (1973)
ロックの世界でダブルネックを世界中に広めたのは間違いなくジミー・ペイジという人で、彼の影響力に比べたら他のギタリストは皆屁みたいなものです。近年本人の監修で「彼の所有物を完全コピー」とうたった復刻モデルがギブソン社から出ましたが、50本限定、本人のサイン入りでお値段500万円というなんともフザけた価格でした(ちなみにサインなしは120万円)。それにしてもこの動画、最強ですねえ。史上もっともオバサン臭かったペイジ先生の髪型だけが悔やまれるところです。
Raspberries / Go All The Way (1972)
明らかにペイジに感化されて手をだしてみたと思われる1人に、ラズベリーズのギタリスト、ウォーリー・ブライソンがいます。とはいえ、彼がダブルネックで奏でる音色はHRというよりもバーズやビートルズ的なメランコリックなものでしたが。ギターもそうですけど、これでもか、とロックしまくるエリック・カルメン(VO)はカッチョイイですね。その後のバラード路線が大成功したことで、すっかりラズベリーズは「過去のもの」とされてしまいましたが。 Daft Punk / Robot Rock (2005)
「ロックを象徴するアイコン」としてダブルネック・ギターを紹介していますが、まさにその象徴中の象徴ともいえる動画。ダフト・パンクはもちろんギターを演奏しませんが、彼らの「ROBOT ROCK」というPVにはまるで主役のようにこのダブルネック・ギターが登場します。余談ですが、この曲のほとんどの音は ブレイクウォーター「RELEASE THE BEAST」(80年)のサンプル音で出来ています。 Cheap Trick / Surrender (live/1989)
ネックを沢山つけたギターという意味では、2本のみならず、ここまでバカな例も存在します。ご存知チープ・トリックのリック・ニールセンは同曲の演奏中、一応全部のネックでギターを弾くという律儀な(笑)演奏を披露しています。実は同バンドのベース、トム・ピーターソンも結構なド変態ベーシストでして、彼はアーム付フレットレスベース&12弦ギターを組み合わせたダブルネックを使用したことがあります。何の因果かその楽器は今ウチにありますが。 Michael Angelo Batio / Double Neck Guitar Solo (2012)
世の中には愛すべきバカとそうでないバカがいまして、上のリック・ニールセンなんかはもう世界の寵愛を一手に担う愛らしいタイプですが、こちらのマイケル・アンジェロさんはそうではないタイプです(笑)。この演奏に一体なんの意味があるのか。曲芸だというのなら街のピエロのお兄さんのほうがよほど技も優れています。つまりこの動画は「反面教師」という4文字を我々ギター弾きに教えてくれる貴重な動画なわけです。
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