てりとりぃ放送局アーカイヴ(2016年11月18日〜2016年12月2日分)


 前回も特集したK-TEL、その続きです。続きですけど今回は音楽ものではありません。遠い昔に「K-TELが発売したレコード盤ホルダー」のCMを掲載したことがありますが、そんなカンジで音楽商品ではないものも沢山あります。「AS SEEN ON TV(TVでお馴染みの!)」というキャッチコピーはそのままに宣伝量でゴリ押しされたK-TELの素敵な商品をいくつか。(2016年11月18日更新分/選・文=大久)


K-tel "Hair Magician" commercial

 ヘア・マジシャン。ええ、その名前は至極真っ当なものですが、どうなのよコレ。似たような整髪カミソリは日本にもありますが、大方の日本人の髪質ではこんなふうに切れるハズがない、と思うんですけどね。あんなカンジでやったら全員5分刈りになっちゃいそう。

K-tel "Bottle Cutter Kit - color" commercial

 ボトル・カッター。これさえあればビール瓶の首もとをカットするのにマス大山のゴッドハンドなんてもう要りません。ていうかね、使ったビール瓶をこんなふうに再利用する人っているんですかね?しかも処理は(当然ながら)かなり面倒臭い。ろうそく用意しろ、とありますが、火もそうですし断面を優しくヤスるだけではかなり危険です。

K-tel "Mood Ring" commercial

 ギンギンに興奮しますねこのCM。いやまさかね。指輪しただけで相手がメロメロになってしまうという黒魔術のような不思議な指輪。いやまさかね。売りは一応「石はマルチカラー=見る角度で色が変わります」というものなんですが、いやまさかね。5ドルか、安いな。欲しいな。

K-tel "Steam Set" commercial

 さて年末の声が聴こえてくるこの時期、こんなクリスマス・プレゼントを奥方に用意してみてはいかがでしょうか。スチームでカーリー・ヘアを作る。それだけなら今でもどこでもある話ですが、K-TELはカーラーそのものをスチームで蒸して、それを髪に巻き付けます!熱そうですが、そこはスルーで。ついでにスチームマシンでお肌のお手入れもできちゃう便利グッズ。

K-tel "Walkabout" commercial

 日本の「ウォークマン」なんてコレでブッツブセ!とでも思ったのでしょうか。アメリカ製のポータブル・カセット・プレイヤーの登場です。これがあれば海辺にデカいステレオ・コンポはもういりません!とかナレーションしときながら。このプレイヤーも十分にデカいですね(笑)。名前もなんかアレだし。


*動画のリンク切れの場合はご容赦ください。





 多けりゃいいってモンでもないですが、少なけりゃいいってモンでもありません。ただし前者には後者にない圧倒的なインパクトがあります。なんといっても「それだけ多くの人が小さなステージの上に集中し、夢中になっている」という事実があるからです。今回は「単体アーティストによる大規模コンサート」特集。殆どが有名なものですが、文字面とか記録とかではなく、実際に映像で見るとやはりいろいろ凄いモンですよね。(2016年11月25日更新分/選・文=大久)

Simon And Garfunkel / Mrs. Robinson (1981)

 この手の話題になるときに必ず話題に上がるのが、81年9月19日にNYのセントラルパークで行なわれたサイモン&ガーファンクルのコンサートです。50万人以上が同所につめよったこの模様は日本の地上波でもゴールデンタイムで放送されたので、それをご記憶の方も多いでしょう。このライヴは公演の事務局の主導で開催されたもので、当時解散状態にあった同ユニットの「再結成」ライヴでした。

David Bowie at Milton Keynes Bowl (1983)

 さて、ボウイです。世界が「LET'S DANCE」に大騒ぎとなった1983年のツアーのイギリス、ミルトン・キーネス公演は3日間行なわれ、6万枚X3(=18万枚)のチケットがソールドアウトしました。同じツアーの後半に行なわれたニュージーランド公演では1公演のチケット販売枚数のギネス記録(9万枚/当時)となりましたが、当日会場に集まった観衆は12万人にもなりました。

Oasis / Don't Look Back In Anger (Live in Manchester 2005)

 マンチェスター出身のみすぼらしいバンドが全英・全世界を制覇し10年。彼らが地元に還って来た、と大々的に行なわれたマンチェスター・スタジアム公演は、同所を3日間満員にしました(会場キャパは6万人)。この曲、「イギリスの国歌だ」「イギリス人なら誰でも歌える」とまで言われる曲ですから、そりゃ盛り上がりますよね。

U2 / Where The Streets Have No Name (at Rose Bowl 2009)

 カリフォルニアのパサデナにあるローズボウルで行なわれたU2の公演は、YOUTUBEで生中継されたりもしましたが、この日の10万枚のチケットは売り切れています。U2は「1公演での動員数が世界一」の記録がギネスに認定されていて、それは同ツアーの南ア公演なのですが、記録上はなぜかROSE BOWL公演の方がチケット沢山売れてんですよね。まあどっちでもいいですけど。

Top 6 CONCIERTOS Más GRANDES del MUNDO

 さて、最後は「集客記録」を持つトップ6のランキング動画です。ポルトガル語なので何言ってるかサッパリですが、コメント欄で詳細がわかりました。90年のジャン・ミッシェル・ジャーレによるパリ公演(250万人)、97年ジャン・ミッシェル・ジャーレのモスクワ公演(350万人)、94年ロッド・スチュワートのブラジル・コパカパーナ・ビーチ公演(350万人)、2016年のローリング・ストーンズの同ビーチ公演(250万人)、1986年のNYフィルハーモニー・オーケストラによるセントラルパーク公演(80万人)などなど。これらはほぼ全部入場無料ですが、それにしても凄いスね。

*動画のリンク切れの場合はご容赦ください。




 マルコム・マクラーレンという偉大な父親と、ヴィヴィアン・ウエストウッドという偉大な母親から、ジョー・コーレというとんでもないバカ息子が生まれました。67年生まれ、今49歳といういい年なんですがね。いま世界中からの非難を一身に背負うバカ者です。当方もこのバカを擁護できませんし、するつもりもありませんが。このバカはどうやら自分も両親のように偉大な人間だと勘違いしているようで、誰かが彼に真実を伝えねばなりません。(2016年12月2日更新分/選・文=大久)


Burn Punk raw unedited

 動画は51分ありますが、見る必要はありません。ただ証拠として張るだけです。パンクの遺産なんて燃やしてしまえ!こんなものを有り難がるのはパンクじゃない、という主張のもと、2016年11月26日にこのバカ息子は両親が残した偉大な業績の数々を燃やしました。そのライヴ・ストリーミング動画です。なんとお母さんも出てきます。つまりこれは、壮大なるプロモーションなんですね。

seditionaries. 430 kings road.

 両親が興したブティック、セディショナリーズはロンドンのキングスロードを一躍パンクのメッカにしました。今やセディショナリーズの服はオリジナルで100万円とかしますし、なんと偽造モノも数十万円したりします。値段はさすがにアホかと言いたくなりますが(その点でだけ、バカ息子の言いたいことは理解できます)、動画は若き日のヴィヴィアン・ウェストウッド。

Derek Nimmo & Seditionaries

 1977年、セックス・ピストルズと共に全世界にその名を広めた「パンク」と「セディショナリーズ」。動画は1977年のイギリスのTV番組の一部で、デレク・ニモというコメディアンが店を訪れるというコント。既にお気づきの通り、若かりしセックス・ピストルズの面々が総出演しています。

BOY LONDON 1976 ORIGINAL SHOP

 セディショナリーズはその後名前を変えたり経営母体を変えたりと細かな変遷を遂げますが、パンクのメッカであったことは変わりませんでした。とはいえ、80年代後半のBOY LONDONはもうすっかり「ファッション・パンク」のメッカになってましたけど。

Vivienne Westwood

 ヴィヴィアンは41年生まれなので、パンク勃興期に既に30代後半でした。大人の目線でパンクを盛り上げた女性、ということになりますね。今や世界に名だたるトップ・デザイナーとなり、原宿にちょっと恥ずかしくなるようなデカい店を構えたりしてますが、アクティヴィストとしても活発な活動を続ける、おっかない女性でもあります。

The London Weekend Show Punk Rock 28/11/76

 冒頭で、バカ息子の所業を「見る必要ない」と書きましたが、こちらは真逆、必見の動画です。1976年11月28日に放送された、リアルタイムのパンク・ロック・ドキュメンタリー番組。マトロック在籍時のピストルズ、初期クラッシュ、グルーピー時代のスージー・スー、みんなヤベエ人ばっかですね。バカ息子にも、ボケ始めたお母さんにも、すこし冷静になってこの動画見て欲しいものです。



*動画のリンク切れの場合はご容赦ください。