てりとりぃ放送局アーカイヴ(2017年4月21日〜2017年5月5日分)

 チャック・ベリーが亡くなりましたね。いつか特集をやろうとは思いますが、今回は別ネタです。エディー・コクランの特集をやってみようと思います。エディー・コクランは1956年デビュー、57年に大ヒットを飛ばすも60年に21歳で死んでしまった人なので、映像らしい映像が残っていません。で、ここでは82年に制作された彼のドキュメンタリーをご紹介。(2017年4月21日更新分/選・文=大久)


01 Eddie Cochran 1982

 このドキュメンタリーは1982年にイギリスBBCが制作したものです。既に35年も前の映像なのですが、エディー・コクランが亡くなったのは更に22年前、今からカウントすれば57年も前の話です。そりゃ現実味はなくなります。が。冒頭に登場する女性は作曲家であり、当時エディー・コクランのフィアンセだったシャロン・シーリー。コクランが亡くなった時彼女はまだ20歳でした。


02 Eddie Cochran 1982

 そして、エディー・コクランのお母さん、アリス・コクランが登場。お母さんは1907年生まれなので、息子が亡くなった時53歳、この映像が収録された時に75歳だったことになります。彼女は息子を失ったその2年後に旦那さん(コクランの父)も亡くしていますが、お母さん本人は1994年に87歳で天寿を全うしました。

03 Eddie Cochran 1982

 こちらでは往年の人気っぷりを検証しています。冒頭喋ってるのはラリー・パーンズというイギリスの敏腕マネージャーで、イギリスでR&Rを流行らせた仕掛人の1人、といわれてる人です。またアダム・フェイス、ジョー・ブラウンという50〜60年代のイギリスR&Rの人気シンガーも登場。

05 Eddie Cochran 1982

 ちょっと間を飛ばしますが、こちらでポリスのスティングがエディー・コクラン「Three Steps To Heaven」を歌うシーンが登場します。これは1979年の映画「RADIO ON」のワン・シーンで、この映画の中でスティングが演じた役名は「ジャスト・ライク・エディー」という名でした。この映画マジ最高なんですが、誰も同意してくれません(笑)。全編はこちらで。


06 Eddie Cochran 1982

 そして最後の最後になってとんでもない映像が飛び出します。エディー・コクランが使ったあの改造グレッチ。世界一有名なグレッチ・ギターです。あれがそのまま母親の手元にありました。こんなモン見せられてどうしろというんでしょうか。21世紀となった今、既にエディーも、お母さんも、シャロン・シーリーもこの世にいません。うーん。




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 正直に言えば、自分の興味の場所が変わってきたという事実もあり、最近の初音ミク事情に関しておろそかになっている点は否めません。が、ここでキッチリその業績を振り返るという意味でも、あえて初音ミク特集をやってみます(笑)。今回は初音ミクのTVCM集。フォルマント技術がどうだ、キャラがどうだ、作画がどうだ、なんていうゴタクを一端脇に置いたとしても、やはりその功績は現在進行形で進化しています。(2017年4月28日更新分/選・文=大久)


TOYOTA CM 初音ミク(2011)

 なんか既に懐かしさを覚えます。もう6年も前ですからね。全米に「初音ミク」という存在を広く知らしめたのは北米トヨタによる企業CMでした。以前も触れましたが、同年LAで行なわれたアニメ・エキスポで初音ミクのコンサートには6000人が集まっています。

Google Chrome 初音ミク(2011)

 で、こちらも2011年年末に公開された、グーグル社のCM。恐らく世界中で最も人目に触れた初音ミク映像かと思われます。もう世界中が彼女の存在を知ったわけで、「日本ヤベエ(いい意味で)」の象徴的存在になりました。

ミクLOVESファミマキャンペーン(2012)

 ファミリーマートのCMに出演したことも、以前当欄にて触れた記憶がありますが、正直どうなんでしょうね、このやらせ感満載の「NG集」は。逆にこういうのって人の興味を薄くする気がするんですけどね。

ニトリ 2013年モデルランドセル「わんぱく組」

 おっと忘れてました。覆面で(註:企業側がミクを使ったかどうかを公言しなかった)ミクが歌った、ニトリのTVCMです。アシモ似のロボットが出演していることもあり、その辺りを(ニトリ側が)あまりおおっぴらにしたくなかったのかもしれませんが。

VOICES tilt-six Remix feat. Miku Hatsune(2016)

 こちらは出演ではありませんが、ソニーのスマホXPERIAの主題歌を担った時のもの。もはや音楽業界になくてはならない立ち位置を保持してますよね。そういえば2014年にはあのバンプ・オブ・チキンとミクのコラボ曲、なんてのもありました。


LUX CM 60秒バージョン(2016)

 2次元キャラがシャンプー&リンスのCMに登場、というのも異常ですが(笑)、女優スカーレット・ヨハンソンによる演技をそのままミクが踏襲、というもの異常です。しかし何よりも驚きなのは、このCMの一番の売りが「あの初音ミクがストレートヘアを披露した」ということです(笑)。



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 60年代中頃に、メキシコにロス・ヤキというバンドがありました。スペイン語でカヴァーすることにより英米のR&R(メヒコ語でロカンローレロ)をヒスパニック圏に紹介する、その最初のバンドとも言われています。で、今回はそのロス・ヤキのカヴァー特集。フリークビートともグループサウンズともひと味違う南米の60'Sビートをどうぞ。(2017年5月5日更新分/選・文=大久)


Los Yaki / Vuelve a mí (1966)
 まずはこちら。おなじみ「You've Lost That Lovin' Feelin'/ふられた気持」です。いやあ暑苦しいですねえ(笑)。でもロス・ヤキはこういうメロディックなハーモニーものが得意なグループでもありました。

Los Yaki / Murmullo De Amor (1967)
 タイトル読んでもさっぱりですが、原題「There's a Kind of Hush (All Over the World)」、邦題「見つめあう恋」です。ハーマンズ・ハーミッツの大ヒット曲ですが、むしろ後にカーペンターズが取り上げたことで有名かもしれませんね。なんかミックスが日本の歌謡曲ミックスになってて笑えます。

Los Yaki / Serafin Y Tres Pescaditos (1967)
 こちらはマーヴェレッツ「Too Many Fish In the Sea」のカヴァー。60年代モッド・ビートがモータウン・ポップを引用している例が多いため、そのスパニッシュ・カヴァーがこうなるのはある意味自然な流れですね。ただしロス・ヤキはマーヴェレッツ版ではなく、どうもミッチ・ライダーのカヴァーを参照したようですが。

Los Yaki / Dame dame cariño (1969)
 クレイジー・エレファントなんて名前を久しぶりに思い出しました!(笑)69年にクレイジー〜がヒットさせた「Gimme Gimme Good Lovin'」のカヴァーです。69年はロス・ヤキが解散する年なのですが、最後までちゃんと路線を全うしたのは素晴らしいですね。

Los Yaki / Hair (1969)
 実はロス・ヤキには「ハートに火をつけて」「サニー」他英語でそのままカヴァーした曲も多くあったり、キンクスやビートルズ、ストーンズ等の大ネタも多くありますが今回はその辺をあえて外してます。で最後はミュージカル・テーマの大本命「Hair」のカヴァーです。もちろんカウシルズ版を参照したと思われますが、それよりヘヴィーでサイケ度高し。



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