てりとりぃ放送局アーカイヴ(2017年5月12日〜2017年6月2日分)

 どうしても当欄では訃報絡みの特集が多くなりがちなんですが、今回は関係ありません(笑)。バリバリにお元気な67歳、エリック・カルメン率いるラズベリーズの特集です。当方はバラディアーとしてのエリック・カルメンのスタンスをあまり好きにはなれないのですが、今回の特集は彼がパワー・ポップ・バンド「ラズベリーズ」をやっていた頃の70年代の特集です。ラズベリーズ、最高スよね。(2017年5月12日更新分/選・文=大久)


Raspberries / Go All The Way (1972)

 72年のミリオン・セラーなヒット曲。実はこの動画、10年くらい前に(酷いクオリティーながらも)Youtubeに上がってて「オッこりゃ最高」と思ってたのですが長らく削除され再掲載されませんでした。が、最近綺麗な質で再登場。個人的にとっても嬉しいです。エリック・カルメン、ロックしてますねえ。


Raspberries / Tonight (1973)

 73年、ラズベリーズはよりハードエッジなロック色を強めます。そんな中美メロとHRギターをミクスチャーしたこちらはそりゃあ最高の1曲になるに決まってます。ところでラズベリーズといえば12弦ギター使いでも有名ですが、ここまで出て来てませんね・・・

Raspberries / Let's Pretend (1973)

 というわけで12弦を生かした楽曲を。まあどうやったってバーズ(ロジャー・マッギンの)的なスタイルに似てしまうわけですが。ところでこの曲なんでこんな変な終わり方なんでしょうね。動画はミッドナイト・スペシャル出演時のライヴなんですが、編集下手にもホドがあるでしょ。

Raspberries / I Wanna Be With You (1972)

 御承知のように、バーズやビートルズの影響がもの凄いグループなわけですけど、ハードロック的なアプローチを取り入れたらこういうラズベリーズ独特のスタイルが出来上がって、その結果(時代が変わってから)パワーポップと呼ばれるジャンルのマスターピース的存在になりました。


Raspberries / Don't Want to Say Goodbye (1972)

 ラズベリーズは75年に解散、その後ソロでエリック・カルメンは大スターになりますが、2000年代に入ってバンドは何度か再結成しています。でこちらは一番最初のころのラズベリーズのバラード曲。ええ、エリック・カルメンは最初から何も変わっちゃいませんね。この最初のアルバム、裏ジャケにラズベリーの香りが刷り込んであるんですが、ウチのLPはいまだに(!)ラズベリーの匂いがします。




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 当方の苦手分野でもあるHR/HM。とはいえ今回はそのHR/HM界で異彩を放つ存在でもあるマイケル・シェンカー特集です。苦手なくせになんで関心があるかといえば、MSGの「CAPTAIN NEMO」というインスト曲は、80年代のある一時期、金曜8時「ワールド・プロレスリング」の次週予告BGMに使用されていたからです。つまり、プロレスっ子にとってこの曲はジェフ・ベック「STAR SYCLE」やELP(パウエルの方)「THE SCORE」と並ぶスタンダード曲なんです。(2017年5月19日更新分/選・文=大久)



MSG / Captain Nemo (Live 1983)

 まずはオリジナルのライヴ版を。マイケル・シェンカーの逸話を話し出したらキリがありませんが、後に(ジャニーズの)男闘呼組にも真似されたあの有名な白黒バイ・カラーのフライングVを股間に挟み、ずっと下を向いてギターを弾く、というHR/HM界にはありえない(笑)パフォーマンスで人気のギタリストです。

Haruka Kageyama / Captain Nemo

 で、今回の特集はMSGとかプロレスとかはどうでもよくて、以下の「弾いてみた動画」特集なわけです。こちらは2008年日テレ系「全力!TUNES」で放送された、「10歳の少女が弾くCAPTAIN NEMO」動画です。どう考えたってこんなのはご両親の影響モロ出しなわけですが、そこさえ頭から切り離せば、やはり痛快な動画ではあります。

MSGのCaptain Nemoを弾いてみた10歳

 こちらも10歳の少女だそうで。ええ、スキル的には日テレの10歳少女より若干上な気もしますが、そんなことよりも日本の教育は間違いなくどこか間違ってるな、と強烈に思わせる動画です。もうちょっと笑って弾けばいいのに(笑)。

Miyako Uno / Captain Nemo

 なんでこんなにこの曲の「弾いてみた動画」が、しかも女の子の演奏があるかといえば、30年以上昔からこの曲は「弾けたら凄い!」の指標となる曲だからです。昔なつかし「YOUNG GUITAR」誌の難易度ではワニさんマーク(上から二番目に難しい)だったのを覚えてます。それにしても若い少女が選ぶ曲じゃない気がするんですが(笑)。

Ria / Captain Nemo

 そしてついに制服登場。オッサン目線で言えば、演奏力とかはどうでもいいんです。この動画が何故エンターテインメントなり得るかと言えば、それはもう「彼女達は一体何故これをやっているのか」というそのモチベーションを見るものに強制的に推測させるその難解な謎解きに他なりません。


ヤギミユキ- Captain Nemo(MSG)を久々に弾いてみた!

 アップの日付から考えうるに、おそらく最新の「弾いてみた」動画。めちゃ高いギター、演奏をエンジョイするマインド、余裕の表情、成長したボディー、この動画からは彼女の自信しか漏れてきませんね(笑)。でもまあいいんじゃないスか。本家マイケル・シェンカーよりも楽しそうに弾いてますし。



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 いやー多忙につき先週は当欄の更新をお休みさせていただきました。申し訳ありません。さて、唐突ですが、イギリスに思いを馳せてみたいと思います。今回の特集は英国の空の玄関口ヒースロー空港の特集です。当方はっしばらく訪れてないのでわかんないのですが、どうやら最近は随分マメに綺麗に改修され続けていると聞きますが、個人的にもとても思い入れのある場所です。(2017年6月2日更新分/選・文=大久)


Heathrow Terminal 2 : The Queen's Terminal - Opening Video
 英ヒースロー空港は、昨年2016年に開港70周年を迎えまして、昨年その記念キャンペーンとして数多くの動画が配信されました。その中からいくつかご紹介したいと思いまして。まずはこちら。たった3分で70年を振り返るおさらい動画です。ビートルズもマイケル・ジャクソンもマドンナもダイアナさんも女王陛下も出てくるこの動画、おさらいながら、豪華ですね(笑)。

To Flying Concorde | #LHR70
 イギリスとフランスで1969年に共同開発・運用された超音速旅客機コンコルド。当方のようなオッサンは1985年のライヴ・エイドでフィル・コリンズがコンコルドをチャーターして大西洋横断したとかそういう話を思い出すわけですがもしかしたら若い方は知らない人も多いかもしれません。2003年にコンコルドはお役御免となり、引退しましたが、もちろん後継機種は製造されていません。最後まで採算がとれなかったからです。

Coming Home for Christmas | Heathrow Airport
 こちらは昨年の年末にヒースロー空港が制作したクリスマス・シーズン用CM。ん、まあイギリスらしいエスプリというのは間違いなくありますが、ちょっと狙い過ぎな気もしますね(笑)。使用されているBGMはチャド&デイヴという70年代のノベルティー・ソング・デュオによる「I'm Going Home」という楽曲の新リマスター・バージョン。

The First Flight | Heathrow Airport Summer 2016
 で、こちらが昨年の夏、ヒースロー空港開港70年を記念して、初めて制作されたというTV-CMです。使用されている楽曲は1967年のデヴィッド・ボウイ「When I Live My Dream」という曲。ちなみに今からちょうど50年前の1967年6月1日、デヴィッド・ボウイは同名アルバムでソロ・デビューしました。



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