時たま現れるギター特集。実は筆者は日本ではほとんど他の誰にも見向きもされないような特殊なギターヲタクでして。そんな当方がお送りする今回の特集は東ドイツの名作ビンテージ・アーチトップ「MUSIMA RECORD」の特集です。ええ、今はなき東ドイツ。共産圏です。そんなものを好き好んでしまう当方もどうかしてますが、なんとそのギターを映像で楽しめるというのも、すごい時代になりましたね。ちなみに当方、MUSIMA RECORDを2本持ってます。(2017年6月23日更新分/選・文=大久)
РИТМЫ, РИТМЫ Музыкальный релакс-фильм (Литва)
まず、申し訳ありませんがタイトル読めません。なので絵と音だけでお楽しみ下さい。ムジマ社は東ドイツの国営音楽楽器製造会社ですが、東西分裂以前からあったメーカーなので、国営と言ってもそれほど閉じられたメーカーではありませんでした。映像は60年代末頃と思われるもので、ここに出てくるのがMUSIMA RECORDです。
Ранняя Musima Record
映像としてはこちらのほうが古いものですね。おそらく60年代頭のものと思われます。なんだよアコーディオンはスカンダーリ(イタリアのメーカー)じゃないすか。鉄の壁、とは言っても、東ドイツに関しては、少し緩い部分があったんですよね。その辺はそういう映画があるので御承知の方も多いでしょうが。ちょいとシュランメル系の、牧歌的な民謡ジャズ。
Ранняя Musima Record
弾き語りです。こちらも60年代頭頃とおもわしき映像。弾き語りとは言えアテブリで弾いてませんけど(笑)。ちなみに東西共通なんですが、ドイツ製のアーチトップ・ギターはボディーの表面のエグレ加工がエグくって(笑)、これを世界的にジャーマン・カーブと呼びます。アーマンカーブは後にリッケンバッカーやモズライトのギターに受け継がれた技術です。
Ранняя Musima Record
もちろん当方もギターの名で検索してこれらの動画を発見したわけですが、こんな珍しい映像をみせられると、もうすっかりギターの音がどうこうというよりも、当時の東ドイツの音楽のほうに夢中になってしまうわけです。名称不明のジャズ・ギタリストによる早弾き動画。ここでトリビアをひとつ。MUSIMA RECORDには見た目上ピックアップが搭載されていません。が、ちゃんとエレキで音がなります。実はネックの中にピックアップが仕込んであるからです。
ДИЭЛО Варале
んで、最後にやっとまっとうな歌もの動画。1965年の演奏だそうです。曲名は「バラーロ」。S.エブラリッツェ・カルテットによる演奏。ギタリストの名はD.クズネツォフ。レニングラードTVの「ディール」という番組の映像だそうなので、これは東ドイツではなくてソビエト連邦(当時)の映像てことになりますね。
*動画のリンク切れの場合はご容赦ください。
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