そう、そして遂に世界中がバーシアの歌声を耳にする機会が訪れます。83年にマーク・ライリー&ダニー・ホワイトと出会い、マット・ビアンコへの参加が決定。トリオで制作されたマット・ビアンコの『WHO'S SIDE ARE YOU OWN/探偵物語』は大ヒット作となりました。こちらは同作収録の1曲ですが、カヒミ・カリィのカヴァーでもおなじみですね。
先日『映画秘宝』誌にてスライ・ストーンのドキュメンタリー映画のレビューを担当させていただきました。いやあスライ・ストーン面白いですよね。ボウイさんは10年程ヒキコモリをやっていましたが、なんたってスライの場合は20年以上ヒキコモリだったわけで。今もご健在だということだけでもスゴイ(!)ですが、「アレ?オレのスマホどこいった?」なんてセリフがスライ・ストーンの口から聴くことになるとは驚愕です。さて今回はそのスライの名曲「HOT FUN IN SUMMERTIME」の聴き比べ。そうですね。もうすぐ夏がやってきますね。(2015年5月29日更新分/選・文=大久)
Sly and the Family Stone / Hot Fun in the Summertime (1969)
まずはオリジナル。「グレイテスト・ヒッツ」収録曲ですが、当時新曲でした。まさに人気も実力も絶頂の1969年夏の発表曲。SUMMER OF 69、ですね。この年の夏といえば、ウッドストック・フェス中日(土曜)の深夜3AMからステージに登場し50分にわたって強烈なファンクをブッ放した彼らは一躍時代の寵児になりました。
85年、当時まさに人気絶頂(そういえばポール・ヤングがH&Oカヴァーで大スターになったのもこの年)だったホール&オーツですが、同年夏、アメリカの建国記念日に行なわれたチャリティー・コンサート(このライヴの収益金はあの自由の女神像の修復費用にあてられた)の最後の曲はこのスライのカヴァーでした。なんか、今見ると出演者全員のヘアスタイルがもの凄くヘンですよね(笑)。 Manhattan Transfer / Hot Fun In The Summertime (1995)
95年に発表されたマントラのアルバム『TONIN'』は、全曲コラボでカヴァーをやるという企画作でしたが(余談ながら、本作に参加したローラ・ニーロにとっては生前最後の歌声となりました)、ここで収録された「HOT FUN〜」のカヴァーではリード・ボーカルにチャカ・カーンを迎えてのコラボ・カヴァーとなりました。ちなみにこの動画、YOUTUBEのコメント欄にチャカ本人がコメントを寄せていますね! Alan Hewitt / Hot Fun In The Summertime (2009)