ABBAの「DANCING QUEEN」に関しては色々なエピソードが残されていまして、ジョージ・マクレーの「ROCK YOUR BABY」が下敷きになったとか、スタジオでイントロを初めて聞かされた女性メンバー2人はその場で座り込んで泣いてしまったとか、この曲の初お披露目は76年6月18日に国営放送で生放送されたスウェーデンの国王グスタフ16世の結婚披露宴で、とか。名曲ってやつには素晴らしい逸話がつくものですね。さてそんなことはともかく、「DANCING QUEEN」聴き比べ、その2です。(2015年7月3日更新分/選・文=大久)
Sixpence None The Richer / Dancing Queen (1999)
「KISS ME」「THERE SHE GOES」といった素晴らしいアコースティック楽曲でお馴染みのシックスペンス・ノン・ザ・リッチャー。99年に映画『DICK』(日本未公開ですが、ソフト発売に際して『キルスティン・ダンストの大統領に気をつけろ!』という邦題が付いています)のサントラにこのカヴァーを提供しています。いいですね。ネオアコですね。 Regine Velasquez / Dancing Queen (1999)
髪を真っすぐに延ばし、ソウル・ヒットを熱唱するビリー・プレストン。映像は65年の米音楽バラエティー番組「SHINDIG!」出演時のもので、曲はもちろんウィルソン・ピケットでおなじみの曲。この曲は翌年プレストンのソロ・アルバムに収録されましたが、そちらのアレンジを手がけたのはあのスライ・ストーンでした。ファンキー・オルガンものの名作として今や有名になりましたね。 Billy Preston / My Sweet Lord (1970)
ジョージ・ハリソンたっての希望でビートルズとの共演を果たしましたがその期間は1年ほどでした。70年、B4のメンバーがこぞってソロ活動に入りましたが、こちらはご存知ジョージのソロ代表曲のカヴァー。実はジョージ本人はこれを他者(エドウィン・ホーキンス)に提供するつもりで制作しましたが結局実らず、その後に「じゃあやるよ」ということになりビリー・プレストン版が録音されました(ジョージの本人版が発表されたのはその1ヶ月後)。 Billy Preston / Nothing From Nothing (1974)
アップルからアルバムを2枚発表するもパッとせず、その後A&Mに移籍して発表したこちらの曲はビリー・プレストンの代表曲となる大ヒット曲になりました。最高ですね。曲もそうですが、やはりこのヘアスタイルが。この曲の共同作家でもあるブルース・フィッシャーは、ジョー・コッカー「YOU ARE SO BEAUTIFUL」を書いた人でもあります。 Billy Preston / Heroes (1991)