前回「スゲエ衣装で歌い踊るソウルディーバ」を紹介した中にも出てきた、ステファニー・ミルズ。今回は彼女の名曲「Never Knew Love Like This Before」の聴き比べです。79年に録音されたこの曲はジェイムス・エムトゥーメイ&レジー・ルーカスという当時最強のソウル・クリエイター・チームによって生み出された曲ですが、ギトギトなファンクとは縁遠い、爽やかでメランコリックなクラシックとなりました。今も愛される名曲、てやつですね(2016年8月5日更新分/選・文=大久)
Stephanie Mills / Never Knew Love Like This Before (1980)
シニータです。80年代末にPWLプロデュースで「TOY BOY」という世界的大ヒット・ユーロビート曲を生み出したあのシニータです。彼女が95年に発表したアルバム『Naughty Naughty』にて、件の「Never Know〜」をカヴァーしています。アルバム自体がカヴァー・アルバムなので納得ではありますが、当時PWLはシーンから無視されまくっていた時期なので、感慨深いですね。 GTS feat. Kimara Loverace / Never Knew Love Like This Before (1998)
マレットヘアの起源には諸説あり、後髪を延ばしたころのポール・マッカートニーだとか、ジギー・スターダスト期のデヴィッド・ボウイだとかロッド・スチュワートだとか言われることが多いです。が、やはり基本的には「てっぺんはツンツン、後はサラサラ」してたほうがダサダサであることは世界共通認識かと思われます。でこちらはボウイ。一番マレットマレットしてた髪型の時期のもの。実はこのMV収録の直前に彼は眉毛を剃り落としていて、その後2年間剃りっぱなしとなります。 The Greatest Mullet Story Ever
イギリスのロック・バンド、ザ・ヴァーブが1997年に発表したシングル曲「Bitter Sweet Symphony」。洋楽ロック・ファンなら誰でも知ってる有名曲です。現在すでにバンドは解散し、リーダーのリチャード・アシュクロフトはソロ活動に転じていますが(今度来日しますね)、バンド時代だけでなく、彼のキャリアを通じて最も愛される1曲となりました。 Andrew Loog Oldham Orchestra / The Last Time (1966)
で、その「Bitter Sweet Symphony」には元ネタがあります。1966年、ローリング・ストーンズのプロデューサーだったアンドリュー・オールダムという人がストーンズ楽曲をオーケストラでやってみた、という企画盤を発売しており、その中に収録された「The Last Time」のストリングス部分を引用したものだった、というわけです。