マルコム・マクラーレンという偉大な父親と、ヴィヴィアン・ウエストウッドという偉大な母親から、ジョー・コーレというとんでもないバカ息子が生まれました。67年生まれ、今49歳といういい年なんですがね。いま世界中からの非難を一身に背負うバカ者です。当方もこのバカを擁護できませんし、するつもりもありませんが。このバカはどうやら自分も両親のように偉大な人間だと勘違いしているようで、誰かが彼に真実を伝えねばなりません。(2016年12月2日更新分/選・文=大久)
VIDEO Burn Punk raw unedited
動画は51分ありますが、見る必要はありません。ただ証拠として張るだけです。パンクの遺産なんて燃やしてしまえ!こんなものを有り難がるのはパンクじゃない、という主張のもと、2016年11月26日にこのバカ息子は両親が残した偉大な業績の数々を燃やしました。そのライヴ・ストリーミング動画です。なんとお母さんも出てきます。つまりこれは、壮大なるプロモーションなんですね。
VIDEO seditionaries. 430 kings road.
両親が興したブティック、セディショナリーズはロンドンのキングスロードを一躍パンクのメッカにしました。今やセディショナリーズの服はオリジナルで100万円とかしますし、なんと偽造モノも数十万円したりします。値段はさすがにアホかと言いたくなりますが(その点でだけ、バカ息子の言いたいことは理解できます)、動画は若き日のヴィヴィアン・ウェストウッド。
VIDEO Derek Nimmo & Seditionaries
1977年、セックス・ピストルズと共に全世界にその名を広めた「パンク」と「セディショナリーズ」。動画は1977年のイギリスのTV番組の一部で、デレク・ニモというコメディアンが店を訪れるというコント。既にお気づきの通り、若かりしセックス・ピストルズの面々が総出演しています。
VIDEO BOY LONDON 1976 ORIGINAL SHOP
セディショナリーズはその後名前を変えたり経営母体を変えたりと細かな変遷を遂げますが、パンクのメッカであったことは変わりませんでした。とはいえ、80年代後半のBOY LONDONはもうすっかり「ファッション・パンク」のメッカになってましたけど。
VIDEO Vivienne Westwood
ヴィヴィアンは41年生まれなので、パンク勃興期に既に30代後半でした。大人の目線でパンクを盛り上げた女性、ということになりますね。今や世界に名だたるトップ・デザイナーとなり、原宿にちょっと恥ずかしくなるようなデカい店を構えたりしてますが、アクティヴィストとしても活発な活動を続ける、おっかない女性でもあります。
VIDEO The London Weekend Show Punk Rock 28/11/76
冒頭で、バカ息子の所業を「見る必要ない」と書きましたが、こちらは真逆、必見の動画です。1976年11月28日に放送された、リアルタイムのパンク・ロック・ドキュメンタリー番組。マトロック在籍時のピストルズ、初期クラッシュ、グルーピー時代のスージー・スー、みんなヤベエ人ばっかですね。バカ息子にも、ボケ始めたお母さんにも、すこし冷静になってこの動画見て欲しいものです。
*動画のリンク切れの場合はご容赦ください。