2016年は多くの偉人が逝去しました。年をとれば人は死ぬ、ただそれだけのことで、とりわけ大したことではありません。ましてや「音楽無料化論」がはびこる昨今ですから、益々音楽家の生き様なんてのは価値が暴落して当然です。もうじき「教科書のない世界」がやってきます。それは今を生きる多くの人々にとって「勉強しなくて済む」という意味で、とっても気楽な世界が実現することになります。これが現実です。(2016年12月23日更新分/選・文=大久)
VIDEO Otis Clay / Wild Horses (1997)
ディープ・ソウルの雄、オーティス・クレイが1月8日に亡くなりました。享年73。ゴスペルからソウルへ、インディー(ハイ)からメジャー(ワーナー)へ、そして自社レーベル設立、という活動で知られる人です。一時期ディスコに走ったり、ストーンズのカヴァーやったり、そんな所も「大物ソウル・シンガー」らしいキャリアですよね。
VIDEO Legendary Guitar Hero Glenn Frey Dies At 67
グレン・フライが1月18日に亡くなりました。イーグルス時代と彼のソロの大成功(『ビバリーヒルズ・コップ』〜『マイアミ・バイス』)の時期は10年以上の開きがありますが、いずれのファンにとってもやはり大きなショックでした。ただし我々日本人にはピンとこないことですが、米国人にとっては彼は「ギター・ヒーロー」でもありました。
VIDEO Scotty Moore & Eric Clapton live in concert
個人的にロック・ギターというやつはスコッティー・ムーアが始めたものだと考えています。そのスコッティーが今年6月28日に84歳で亡くなりました。亡くなった時も彼の居場所はテネシー州ナッシュビルでした。勿論お会いした事は一度もありませんが、彼の個人HPには何故か当方の名が小さくクレジットされています。ささやかな自慢です。
VIDEO Hey Joe (Live, Night Music 1990)
当欄で何度も取り上げたことのあるハーモニカの巨匠トゥーツ・シールマンスが8月22日、94歳で亡くなりました。彼の場合は大往生と言ってもいいのかもしれませんが、後進が育ってないという点ではやはり寂しさを感じます。動画はニック・ケイヴによるジミヘンのカバーですが、チャーリー・ヘイデン(B)、デヴィッド・サンボーン(Sax)、オマー・ハキム(Dr)、ハイラム・ブロック(G)、そしてトゥーツ、という凄まじいメンツで録音されたもの。
VIDEO Celebrities Who Died in 2016
最後の動画は単なるまとめ動画。今年はデヴィッド・ボウイ、モーリス・ホワイト、ビリー・ポール、ガトー・バルビエリ、パパ・ウェンバ、バーニー・ウォーレル、ボビー・ハッチャーソン、ロッド・テンパートン、ピート・バーンズ、レナード・コーエン、ヴィクター・ベイリー、レオン・ラッセル、モーズ・アリソン、他多くの音楽家/音楽関係者が亡くなっています。合掌。
*動画のリンク切れの場合はご容赦ください。