てりとりぃ放送局アーカイヴ(2017年6月9日〜2017年6月23日分)

 最近いろんなお仕事の絡みで、録音スタジオに立てこもる日々が続いてます。いやーいつになっても何歳になっても楽しいですね。ハラハラドキドキのスリルに満ちた場所です。それはともかく、今回は1960年代の録音スタジオ特集。スタジオとはいえ、やはり主役は演奏する人達なわけですが(2017年6月9日更新分/選・文=大久)


Deep Purple / Wring That Neck (MKI Studio Live Rare Footage 1968)

 ディープ・パープル1968年のレコーディング風景です。曲からも時期からもアルバム『詩人タリエシンの世界』の録音だとわかります。ロンドン・ソーホーのド真ん中にあるデ・レイン・リー(De Lane Lea)スタジオです。ほとんどライヴ録音なんスね。それにしてもやっぱこのゴッツいフェーダーの載ったコンソールは憧れます。


Jeff Beck Group in Studio 1969

 なーんと初期ジェフ・ベック・グループの録音風景が映像で残ってました。2枚目『Beck Ola』の録音なので、ベック、ロッド、ロン・ウッド、他そうそうたる面々が登場します。それよりも当方的にはやはり若き日のミッキー・モストに注目しちゃいますが、実はこのスタジオもパープルと同じ、デ・レイン・リーだと思われます。壁も卓も一緒ですもんね。

The Doors / Boogie All Night Long Recorded on Studio 1969

 こちらはアルバム未収録となったドアーズの1969年のセッションで(後にこのセッションは丸々『The Rock Is Dead Sessions』という名で発表されましたが)、69年2月25日、ハリウッドのサンセット・スタジオで収録されたものです。ロビー・クリーガーのレスポールに、BIGSBYついてますね!

Initials B.B Naissance de la chanson de Gainsbourg en studio à londres Avril 1968

 最後はセルジュ・ゲンズブール。有名な「イニシャルはBB」(でもこの時点でもうBBとは別れてた)ですが、こちらはロンドン録音で、68年5月、ボンド・ストリートの角にあるチャペル・スタジオでの模様です。同スタジオはステファン・グラッペリやセロニアス・モンク等も英国録音の際に使用しましたが、79年に閉鎖されてます。



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 物騒な企画であることは承知の上ですが、文化てのはいろんな側面がありますよということだけを見ていただくために、こんな特集をしてみます。「もうひとつのK-POP」とも言える、北朝鮮の音楽番組特集です。まず先に謝りますが、当方はこの放送の番組のソースに関してまったく詳しくありません。なので何年にどんな番組でどんな扱いをされたか、の客観的な情報を持ち合わせておりません。その点をお許し下さい。(2017年6月16日更新分/選・文=大久)



유쾌한 춤

 ええ、誰もが知るR&Rスタンダード「ROCK AROUND THE CLOCK」。アメリカン・オールディーズを代表するナンバーです。4人のダンサーがビル・ヘイリーのこととか『アメリカン・グラフィティ』を知ってるわけがない、と断言できますが(笑)もし知ったら彼女達はどういう顔をするのでしょうか。

약동하는 춤

 さあ出ました。アイリーン・キャラ「FLASH DANCE -WHAT A FEELIN'」です。動画のコメントに「80年代の映像」とあるのですが、なんとなく90年代のもののような気もします(化粧とかから)。でもダンスの内容も、本家フラッシュダンスのものをパクってる部分ありますよね。

North Korea Wangjaesan Troupe: Moskau

 以前当欄で特集したこともある、ジンギスカンのディスコ・ヒット「めざせモスクワ」。どうでもいいことですが、北朝鮮はソ連(当時)や旧共産圏国家同様にモスクワ五輪には出場しましたが、次のLA五輪はボイコットしています。

알로하오에

 さて、こちらの曲も日本でも有名ですが、ハワイアン・クラシック「アロハ・オエ」のディスコ・ヴァージョン「Aloha-Oe, Until We Meet Again」です。演奏してるのはドイツのグーンベイ・ダンス・バンドというミュンヘン・ディスコ・ユニットで、この曲は80年にドイツや欧州(大陸)各国で大ヒットした曲です。

달리는 기쁨

 まあ今や誰も知らないとは思うのですが、こちらの曲はラテン・ラヴァーというイタロ・ユーロ・ユニットによる1986年のヒット曲「LASER LIGHT」ていう曲なんです。実は日本のユーロビート系クラブでも大ヒットした曲でして。そんな80Sクラブ・サウンド事情をかの国が知ってるわけはないんですけどね。




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  時たま現れるギター特集。実は筆者は日本ではほとんど他の誰にも見向きもされないような特殊なギターヲタクでして。そんな当方がお送りする今回の特集は東ドイツの名作ビンテージ・アーチトップ「MUSIMA RECORD」の特集です。ええ、今はなき東ドイツ。共産圏です。そんなものを好き好んでしまう当方もどうかしてますが、なんとそのギターを映像で楽しめるというのも、すごい時代になりましたね。ちなみに当方、MUSIMA RECORDを2本持ってます。(2017年6月23日更新分/選・文=大久)



РИТМЫ, РИТМЫ Музыкальный релакс-фильм (Литва)

 まず、申し訳ありませんがタイトル読めません。なので絵と音だけでお楽しみ下さい。ムジマ社は東ドイツの国営音楽楽器製造会社ですが、東西分裂以前からあったメーカーなので、国営と言ってもそれほど閉じられたメーカーではありませんでした。映像は60年代末頃と思われるもので、ここに出てくるのがMUSIMA RECORDです。

Ранняя Musima Record

 映像としてはこちらのほうが古いものですね。おそらく60年代頭のものと思われます。なんだよアコーディオンはスカンダーリ(イタリアのメーカー)じゃないすか。鉄の壁、とは言っても、東ドイツに関しては、少し緩い部分があったんですよね。その辺はそういう映画があるので御承知の方も多いでしょうが。ちょいとシュランメル系の、牧歌的な民謡ジャズ。

Ранняя Musima Record

 弾き語りです。こちらも60年代頭頃とおもわしき映像。弾き語りとは言えアテブリで弾いてませんけど(笑)。ちなみに東西共通なんですが、ドイツ製のアーチトップ・ギターはボディーの表面のエグレ加工がエグくって(笑)、これを世界的にジャーマン・カーブと呼びます。アーマンカーブは後にリッケンバッカーやモズライトのギターに受け継がれた技術です。

Ранняя Musima Record

 もちろん当方もギターの名で検索してこれらの動画を発見したわけですが、こんな珍しい映像をみせられると、もうすっかりギターの音がどうこうというよりも、当時の東ドイツの音楽のほうに夢中になってしまうわけです。名称不明のジャズ・ギタリストによる早弾き動画。ここでトリビアをひとつ。MUSIMA RECORDには見た目上ピックアップが搭載されていません。が、ちゃんとエレキで音がなります。実はネックの中にピックアップが仕込んであるからです。

ДИЭЛО Варале

 んで、最後にやっとまっとうな歌もの動画。1965年の演奏だそうです。曲名は「バラーロ」。S.エブラリッツェ・カルテットによる演奏。ギタリストの名はD.クズネツォフ。レニングラードTVの「ディール」という番組の映像だそうなので、これは東ドイツではなくてソビエト連邦(当時)の映像てことになりますね。



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