先日のモリッシー来日公演も好評のうちに終了したようです。どうやら今、彼のライヴに集まるファンというのは「後追い」世代がメインになっているらしく、ケツに山盛りのグラジオラス刺して意気揚々と武道館に向かった当方のような世代は、もうオールドファッション、なんでしょうね。さて今回は「ガール・シングス・ザ・スミス」です。圧倒的な男性支持で有名なザ・スミス/モリッシーというアイコンを、女性達はどう取り扱ったのでしょうか。(2012年8月17日更新分/選・文=大久)
The Puppini Sisters / Panic (2007)
レトロ・モダンなジャズ・コーラス・グループ、プッピーニ・シスターズは疑似「姉妹」の3人組ですが、「スウィンギン・パンク」を標榜する彼女達のスタイルは、チージー&ラウンジー、でもロンドン臭い茶目っ気にも溢れています。歌うのは、ザ・スミス楽曲の中でもハード&ファジーなグラム・ナンバー。ここまで思い切りのいいお洒落アレンジだと、逆に壮快です。
Everything But Girl / Back To Old House (1991)
1980年代、ザ・スミスと同時期にネオ・アコースティック/インディー・ポップの代表グループとして熱い支持を得たEBTG。こちらは91年のライヴ音源で、ザ・スミスのアコースティック・ナンバーを取り上げています。ジョニー・マーのフレーズをベン・ワットが弾く、というのも興味深いですね。
Eurythmics / Last Night I Dreamt That Somebody Loved Me (1989)
アルバム未収録曲。後に(活動休止前の)ラスト・アルバム『WE TWO ARE ONE』にボーナス曲として収録されました。EBTGの例とは真逆に、シンセ・ポップとしてこの曲を練り直したのはさすがにユーリズミックスですね。ザ・スミス楽曲の中でもブッチギリで絶望感漂うこの曲を選ぶあたりもユーリズミックスらしいですが。
Emily Browning / Asleep (2011)
『エンジェル・ウォーズ』という邦題の映画を、どのくらいの方がご存知でしょうか? ちょっと残酷で切ないアクション・ファンタジー映画『SUCKER PUNCH』は、超大作だったにもかかわらず世界中でボロカスにけなされた珍しい(笑)作品ですが、主人公を演じたエミリー・ブラウニング嬢自らシンミリと歌う「ASLEEP」は、劇中の役柄を考えると恐ろしい程のマッチングをみせる、涙モノの選曲です。サントラの日本盤が出てない、というのも寂しいですねえ。
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