【ヒトコト劇場】#11〜#20 アーカイヴ

 作曲家・桜井順氏と、アニメーション作家・古川タク氏のコラボレーションで制作されているショート・アニメーション・シリーズ「ヒトコト劇場」も、作品数が20を越えました。制作が進むにつれ、より即時性を強めて、時事ニュース的ネタが盛り込まれ、「今このタイミングだからこちらを先に公開しよう」といった指示をいただくこともあります。なんといっても2012年の日本は政治的に激動の1年でもあり、そうした背景も存分に反映された、ブラック・ユーモアにも溢れる「ヒトコト劇場」、お楽しみ下さい。(2013年3月22日・記/文=編集部/#1〜#10 はこちら

ヒトコト劇場 #11(2012年10月5日公開)

 尖閣諸島をめぐる論争は、1960年代末から日中台の間で常にありましたが、その争いが最も大きく激しくなったのが近年であることは間違いありません。現在は国有化され政府管理下に入りましたが、いかに「管理」するか、まだまだ懸念は多いままです。


ヒトコト劇場 #12(2012年10月19日公開)

 昨今の商業アニメでも「パラレル・ワールド」を用いる作品が多くなりましたが、カフカ「変身」の例もあるように、文学的な解釈も古くから多々見られます。ここでは桜井・古川両氏による(和風の)「パラレル」解釈をお楽しみ下さい。


ヒトコト劇場 #13(2012年11月2日公開)

 2012年11月6日、一般投票(最終投票)が行なわれ、バラク・オバマ大統領の再選がきまりました。このアニメーションはそれを受けて「番外編」として急遽選挙の直前に公開したものです。アメリカの閉塞状況を打破する(ハズの)「チェンジ」は、最近耳にしなくなりましたが。


ヒトコト劇場 #14(2012年11月30日公開)

 2012年末、日本でも選挙が行なわれ、再度の政権交代が実現されましたが、選挙前後、「職業政治家」の方々の立ち位置のイイ加減さは、多くの有権者の目にさらされることとなりました。ちなみにこの動画音声中に「バカ」を何回リピートさせるか、で何度も悩まれた、とのことです。


ヒトコト劇場 #15(2012年12月7日公開)

 メビウスの輪(帯)という、幼稚園児にも作れてしまう簡単な輪っかは、「表と裏を区別できない」というきわめて哲学的/宇宙的な存在であることも興味深いですよね。なぜかそれを解説しているのが三木のり平を彷彿とさせるキャラだというのも興味深いのですが。


ヒトコト劇場 #16(2012年12月28日公開)

 マウリッソ・エッシャーという画家が考案した、キューブと遠近法で構成された多くのだまし絵。この「永久に流れる滝」の図案のオリジナルは1961年に発表されたエッシャーの作品ですが、読売巨人軍が永久かどうかは当方にはわかりません。


ヒトコト劇場 #17(2013年1月11日公開)

 初夢。1富士2鷹3ナスビ。もしかしたら、今の若い人々にはすっかり縁の無い語彙なのかもしれませんね。新春1発目の「ヒトコト劇場」は、古川氏の初夢、というテーマでした。丁度この頃、富士山の爆発予測、というニュースが駆け巡った時期でもありました。


ヒトコト劇場 #18(2013年2月15日公開)

 アベノミクスという言葉はすでに2012年末からメディアに登場した言葉ですが、同年末の紅白歌合戦で、話題を独占したといっても過言ではない「ヨイトマケの唄」と「アベノミクス」、そして日銀新総裁人事を掛け合わせてできたアニメーション。


ヒトコト劇場 #19(2013年3月1日公開)

 2%のインフレ・ターゲット、200兆円規模の国土強靭化計画、オリンピック誘致。賛否はそれぞれあるでしょうが、極端に楽観的/もしくは悲観的になる人に共通することは「自分で計算/検証をしない」ということです。発表をウノミにするのは、70年前で終わったハズなんですが。


ヒトコト劇場 #20(2013年3月22日公開)

 人間の深層心理にある思い込みや、アイデンティティーの証明といった文化人類学的なテーマに至るまで、単なる犯罪というワクを越えて、「オレオレ詐欺」という事柄から学ぶことは沢山ありますよね。そのテーマを桜井・古川両氏は「宇宙」という壮大なテリトリーまで発展させています。


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