当方はエリック・サティに関して偉そうな講釈をタレるほどの知識を持ち合わせていません。でも鍵盤触る機会があると、つい押さえちゃうのがあのコードだったりしますが(笑)。今回は誰もが知るあの有名なサティ「ジムノペディ1番」を、ポップ・フィールドの人達はこんな風に料理してました、というサンプル集です。しかし改めてチェックしてみたら、サティを引用してる人/曲って膨大な数があるんですよね、機会があれば今回泣く泣く選に漏れたヒューバート・ロウズ、ゲイリー・ニューマン、エンドルフィン等のカヴァーとか、インドネシアのSOREとかも是非チェックしてみて下さい。(2013年4月12日更新分/選・文=大久)
Blood, Sweat & Tears / Variations On A Theme By Erik Satie (1st And 2nd Movements) - Smiling Phases (1969)
69年、既にアル・クーパーの去ったあとのブラッド・スウェット&ティアーズによるセカンド・アルバムは、冒頭とエンディングを「ジムノペディ1」のフレーズで括ったアルバムでした。よりポップな世界観を披露し、「SPINNING WHEEL」という大ヒットも生まれたこのセカンドは、ブラス・ロックというジャンルの筆頭に掲げられる名作として有名ですよね。
Movement 98 / Joy And Heartbreak (1990)
サティ使いの最も有名な例のひとつですが、そんなにヒットした、というワケではありません(全英27位)。ポール・オーケンフォルドというプロデューサー(現在はトランス系DJとしても活躍)が、ラヴァーズ・レゲエの歌姫キャロル・トンプソンをヴォーカルに迎えたユニット、ムーヴメント98によるヒット曲。んー、もしかして「グラウンドビート」っていう言葉ももうすぐ死語になっちゃうんでしょうか?だとしたら少し寂しいですねえ。
Gloria Estefan / Don't Let The Sun Catch You Crying (1994)
94年に発表されたグロリア・エステファンのカヴァー・アルバム『HOLD ME THRILL ME KISS ME』収録の、ジェリー&ペイスメイカーズのバラード・カヴァー。オリジナルは64年発表で、ジョージ・マーティンのプロデュースが冴えるオケのアレンジが素敵なヴァージョンですが、グロリアはサティ「ジムノペディ1」を組み合わせてシンミリと盛り上げるというアイデアを披露しています。
Janet Jackson / Someone To Call My Lover (2000)
ジャネット・ジャクソン、2000年のアルバム『ALL FOR YOU』からのシングルカット曲で、プロデュースはもちろんジャム&ルイス。いつも通り最先端R&Bアレンジを取り入れるチームですから、いわゆるチキチキ系R&Bプロダクションですが、アメリカの72年のヒット曲「VENTURA HIGHWAY」のギター・リフ、そしてサティ「ジムオペディ1」のメロディーをサンプリングしている、という超大ネタのダブル使い、というオケになっています。
Crue-L Grand Orchestra / Gymnopedie No.1 (2005)
こちらはディミトリ・フロム・パリのプロデュースでコンパイルされたオムニバス盤「CHANSON A LA MODE(おしゃれシャンソン)」収録曲で、演じてるのはあのクルーエル・グランド・オーケストラ。なんとダブ・ミックスでサティ「ジムノペディ1」を料理してしまうというのがクルーエル&ディッミトリらしいですね。これを「お洒落」と呼んでしまうのは危険な気もしますが(笑)、アルバムがディズニーのキャラ企画コンピなのだから、まあ仕方ありませんね。
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