David Morales feat. Juliet Roberts / Needin' U II (2001)
そんなワケで料理が出来上がりました。デヴィッド・モラレスはクラブ・ミュージックに限らず、今やメジャー・ヒットを量産するNO.1トラックメイカーですが、彼名義(正式にはTHE FACEというユニット名義)の「NEEDIN' U」という曲はシャイライツの「MY FIRST MISTAKE」のホーン・フレーズとレア・プレジャー「LET ME DOWN EASY」のピアノ・フレーズをサンプリングして作られたハウス・インストのトラックで、98年に発表されました。その3年後、ゲスト・ヴォーカルにジュリエット・ロバーツを迎えフル・ヴォーカル曲としてリメイクされ2001年に再発売、世界的なヒットとなったクラブ・アンセムです。
ビートルズ作品にも「BABY'S IN BLACK」や「I ME MINE」他いくつかの3拍子曲がありますが、こちらはポールのソロ・デビュー作に収録されたワルツ・テンポのフォーク曲。ポールのソロ・デビュー・シングル「ANOTHER DAY」も、Aメロが4/4、他は3/4という変拍子の曲ですが、哀愁たっぷりのこちらも(曲タイトルとは裏腹に)捨てがたい1曲です。
Paul McCartney & Wings / Treat Her Gently - Lonely Old People (1975)
このアルバムほど「CDのボーナストラック」という存在を恨んだこともありませんでした(笑)。名作『VENUS AND MARS』はこの感動的な6/8〜3/4拍子の大作メドレーと、最後のギター・インスト「クロスロードのテーマ」で終わるべきなんです。くだらないボーナス曲とかを入れたがる/欲しがる神経が理解できませんね。「1曲でも多いほうがお得」という貧乏人根性がクラシック・アルバムを破壊するってことに早く気付けよポール。
こちらは80年のウィングスのラスト・アルバムに収録されたインタールード曲。実は同アルバムでこの曲の前に登場する「WINTER ROSE - LOVE AWAKE」も3拍子曲なんですが、そちらはまるでスティーヴィー・ワンダー「愛の園」を彷彿させるようなドンヨリとしたダークな曲。それよりはその名もズバリ「放送局」というこっちのほうがいいかな、と思い選んでみました。余談ですが、ポールの97年作『FLAMING PIE』の冒頭を飾る曲「THE SONG WE WERE SINGING」も3拍子のフォーク曲です。
Paul McCartney / Motor Of Love (1989)
ポールにもいろいろありました。頑張ってみるものの、やる事成す事全部「駄作」と呼ばれた時期が10年以上続いたりしました。映画も大失敗しました。そんな「昔の名前で出ています」状態から脱出できたのは89年の『FLOWERS IN THE DIRT』でした。同作のエンディングを飾るのは、76年の『VENUS & MARS』のエンディングを彷彿とさせるワルツのバラードでした。なーんてことを考えちゃうといまだに泣けますねぇ。
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まずはこちらの曲をお聴きいただきたいのですが、これはピンク・フロイドが1971年に発売した『MEDDLE/おせっかい』というアルバムの収録曲「FEARLESS」です。この曲には参加ミュージシャンとして「THE KOP」というクレジットが入っています。曲の後半、4:50くらいから、サンプリングされたTHE KOPによる「歌」がお目見えします。すでにお判りになった方も多いと思いますが、今回聴き比べするのはこの曲です。ロジャーズ&ハマースタインが作曲した感動的なバラードのスタンダード「YOU'LL NEVER WALK ALONE」です。(2012年4月13日更新分/選・文=大久)
The KOP - You'll Never Walk Alone
THE KOPとは、英国のサッカー・チーム、リヴァプールFCのホーム・スタジアム「アンフィールド」の中で、ゴール裏を陣取るホーム応援席を指す言葉ですが、転じてリヴァプールFCの熱狂的ファンを指すようになりました。1963年、リヴァプール出身のジェリー&ペイスメイカーズがこのバラードをカヴァー・ヒットさせて以来、リヴァプールFCの応援歌になったこの曲は、今もTHE KOPによって世界中で歌われ続けています。アンフィールドの入場口も写真のようなカンジになってます。まさにアンセム、ですね。
Christine Johnson / You'll Never Walk Alone (1945)