[山上路夫 × 村井邦彦 × 日向大介 × 宇野亜喜良]
千駄木「和菓子 薫風」開店
和菓子雑感
まだまだ残暑厳しき折ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?流石にこの暑さだと、私のフィールドワークである古書&中古レコード散策も鈍りがちです。とはいえ、家でじっとしているのは元来好まない性質ですから、結局は外出してしまいます。ですが、この暑さでは、休憩も増えるというもの。ついつい喫茶店
に入る回数が増えてしまいます。 冷房の効いた部屋で飲む熱い珈琲やお茶が私にとっての一服の清涼剤。そこに甘味でもあればなお良く、夏バテも和らぐというもの。 そんな散策のお伴に絶好のお店が先月、東京都文京区千駄木に開店しました。「和菓子 薫風」。場所は団子坂交差点から一本路地
に入った所で、根津神社や谷根千散歩の折に立ち寄るには非常に便利な場所にあります。同店は、フード・コーディネイター出身の店主が素材から厳選して作った和菓子とそれに合うこだわりの日本茶、中国茶、日本酒を提供するというカフェ。今回、ご紹介したいのが、「和菓子薫風特製どら焼き」。レモン、タロッコオレンジ、弓削瓢柑(ゆげひょうかん)、ブルーベリー、さくらんぼの五種類(なお、季節によって、フルーツの種類は変更になる場合があります)。ハチミツが入ったしっとりふわふわの生地に北海道産大納言小豆たっぷりの餡。そこに、それぞれのフルーツ・コンフィをミックスしたもの。これまで、いちご大福やフルーツどら焼きといった生果実を餡やクリームで包んだ洋菓子テイストの物はあ
ったものの、こちらは、きっちりと手仕事を加えたコンフィと餡が組み合わさった和菓子。コンフィと餡のバランスが絶妙で思わず、何種類も食べたくなります。そして、日本茶は勿論ですが、特に中国茶が非常によく合うようです。 実は、古書店を中心にたまに散歩するのが、この千駄木界隈。現在、住んでいる駒込からも自転車で10分足らずの距離ですので、ぶらりと一回りします。古書店以外にも、古道具屋、喫茶店、蕎麦屋、饂飩屋、甘味処、煎餅屋…など、まだまだ情緒溢れるお店がたくさんあります。実は、ここ千駄木は個人的にも4年ほど居を構えた所で、その結果、都内でも大人が落ち着ける場所の一つとして、再認識した場所でもあります。 千駄木に新しい和菓子の店。かつ、大人が寛げる店。
| 「和菓子 薫風」。同店が今後どういった展開をしていくのか楽しみです。カフェ終了後は、コミュニティスペースとして、各種イベントも行なっていくようです よ。そういえば、店主お勧めの水羊羹。まだ食しておりません。また近々にお伺いしますのでよろしくお願いします。 (星健一=会社員) |
スティーヴン・スピルバーグが弱冠27歳で監督した、
不滅のパニック・アクションの傑作がブルーレイで発売!
1975年、パニック映画の時代に真打ちとして登場したのが、今回ブルーレイ化された『ジョーズ』。この時期のハリウッド映画は人間の手に負えなくなった巨大な建造物や乗物を事故にあわせ、近代文明に警鐘を鳴らしていた。というより身近な世界の崩壊を、映画ならではの大スペクタクルに仕立て観客の興奮を煽っていた。 『ジョーズ』は、平和な
アメリカ東海岸のビーチに突如現れた巨大人食いザメの恐怖と、それに立ち向かう人々を描いた動物パニック映画の代表作にして、スティーヴン・スピルバーグ監督の出世作でもある。本作以前にも動物パニック映画は存在していて、代表的なものがアルフレッド・ヒッチコック監督の『鳥』。『鳥』では、鳥による襲撃の多発をよそに軽食堂で呑気に喋っている人たちが、
隣接のガソリンスタンドが鳥に襲撃され大爆発しパニックに陥る描写があるが、「ジョーズ」では、サメの危険を説く主人公の警察署長(ロイ・シャイダー)の心配をよそに、海水浴の利益を優先する市長や街の有力者に鼻であしらわれるシーンが出てくる。また水中で海水浴客の泳ぐ脚を狙うサメの主観映像で動物パニックものの恐怖感を煽るが、ご本尊である人食いザメをなかなか登場させない。この正体のわからない恐怖演出は、スピルバーグのデビュー作『激突!』のトラック襲撃の恐怖に通じ、それ以前に我々日本人も『ゴジラ』で良く知るところの恐怖描写だ。『ジョーズ』はパニック映画でもあり、スリラーでもあり、ホラーでも、社会への警告映画でもあるのだ。そして、もっとも重要なことは、巨大ザメ
| に立ち向かう人々の勇気。戦う男たちは前述の警察署長と漁師(ロバート・ショウ)、若き海洋学者(リチャード・ドレイファス)。公務員と荒くれ者とインテリの組み合わせも面白いが、人間が勇敢に戦いボロボロになりながら勝利する、これが、本作が公開から37年経った今でも娯楽映画の名作と呼ばれる最大の理由だ。 今回のブルーレイ化にあたり、ユニバーサルでは現存するフィルムからオリジナルのカメラネガを選び、スキャニングによる修復作 業を行っている。経年劣化による傷の除去、オリジナルに忠実に色調整を行った結果、冒頭の曇天下の悲劇や、真夏の鮮やかな波光など実にクリアな画質で蘇った。さらにオリジナルのモノラル音声は2000年に5・1チャンネルにミックスアップされたが、今回さらに7・1チャンネルにアップ。自宅でも大サラウンドで衝撃の瞬間が楽しめるほどグレードアップしている。 (馬飼野元宏=「映画秘宝」編集部) |
「ミュージックファイルシリーズ」20周年でバップにサイト開設!
「ミュージックファイルシリーズ」とは、筆者がバップに勤務していた頃の1992年に、テレビドラマのサントラ音源(劇中に流れていた音楽、BGM、映像音楽)の中から、一部の作品を除いて、過去にレコード、CDで発売されることの無かったものを「発掘」してCDにしていくことから始めたシリーズです。 そのスタートは、「伝説のアクションドラマ音楽全集」というシリーズ名で、「ミュージックファイルシリーズ」という名前は、リリースを重ねてカタログが増えていった後に、社内外から呼ばれるようになったネーミングだったのです。 後に続くとは思わずに最初に発売したのは、92年9月21日発売分でCD5枚、『太陽にほえろ!ミュージックファイルー東宝レコード音源復刻盤ー』『探偵物
語ミュージックファイル』『あぶない刑事ミュージックファイル』『もっとあぶない刑事ミュージックファイル』『ジャングル+NEWジャングルミュージックファイル』、一ヶ月おいて11月1日に『傷だらけの天使ミュージックファイル』『俺たちの勲章ミュージックファイル』『大追跡ミュージックファイル』『俺たちは天使だ!ミュージックファイル』『プロハンターミュージックファイル』というラインナップで、1回あたり5タイトルずつ発売した合計10枚でした。 その後も、本当に、歴代上司や、同僚の理解も得つつ、中には同僚の発信で生まれたCDもあり、筆者が2002年に、玉突き人事異動を機にバップを辞めるまでの間に250弱のタイトル数をリリースしました。バップを辞めた後も、コロ
ムビア、ポニーキャニオン、テイチク、ウルトラ・ヴァイヴなどで「ミュージックファイル」の名を付けたCDを断続的に継続してきて、今年で20周年です。 20周年だから何かをということで、このサイト立上げではなく、これも偶然で、5月くらいにバップの方から、ミュージックファイルシリーズのカタログの見直しと配信アルバムのリリースについての相談を頂きました。過去何度か、ミュージックファイルシリーズをバップで再び…という話を頂いていたのですが、頂く度に頓挫して、正直信用してなかったのですが(苦笑)、今回頂いた話はより具体的でしたので、こちらからも気づいてないかもしれないけど20周年ということを伝えつつ、その後の打合せを重ねて、9月に『あぶない刑事』から配信アルバム
| をリリースする運びになり、ようやく新たなスタートラインに立ちました。 偶然が重なり、この10月にもバップ以外の会社でも、ミュージックファイル関連 のCDのリリースもあります。詳細は四角の枠をご覧下さい。これから何が出来るのか…。 (高島幹雄=パッケージクリエイター) |
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