Fantastic Something / If She Doesn't Smile (I'll Rain) (1983)
チェリーレッドから発売された唯一のシングル曲。この曲が「80年代のS&G」と評判を呼び、一躍ネオアコの期待の星となったファンタスティック・サムシングはギリシャ生まれ、アメリカ育ち、イギリスで音楽活動を行なった双子の兄弟デュオ。2年後にメジャーのBLANCO Y NEGROからアルバム1枚を発表し、そちらも「名盤」として有名ですね。いやーそれにしても「青々しい」。 Fantastic Something / The Night We Flew Out Of The Window (1985)
で、その名盤(とはいえ、そう思われているのは日本だけですが)からのシングル曲。そんなネオアコ・ファンの人気が後押しする形で今は本盤もめでたくCD化。さらにはなんと2001年に彼らは復活再結成を果たし、スペインのシエスタ・レーベルからミニ・アルバムを発表。中身が20年前とまったく変わらない、という相変わらずのモラトリアムっぷりを見せてくれました。 The Colourfield / Thinking Of You (1985)
テリー・ホールという人のポップ・センスは、彼の最も有名なキャリアでもあるスペシャルズ作品ではなく、カラーフィールドのほうで存分に発揮されています(個人的にはその後のテリー・ブレアー&アヌーシュカというユニットの方もプッシュしたいところではありますが)。 The Wallflowers / Thank You (1987)
すでに90年代ネオアコ〜ギタポの世界では避ける事の出来ない名曲にラーズ「THERE SHE GOES」がありますが、同曲は99年にアメリカのシックスペンス・ノン・ザ・リッチャーによってカヴァー・シングルが発表されています。シックスペンス〜はこのシングルの直前に発表した「KISS ME」というナンバーでブレイクし世界中に愛されたグループですが、04年に解散しています。米クリスチャン音楽畑出身であるにもかかわらず、クランベリーズや(ラフトレの)サンデイズに影響を受けたんだそうです。
Roddy Frame / Oblivious (BBC Review Show 2013)
さて最後はネオアコ〜ギタポの永遠の1曲、アズカメ「OBLIVIOUS」の最新動画。もちろん1983年の名盤『HIGH LAND HARD RAIN』収録のネオアコ教典曲ですが、昨年アルバム発売30年(!)を記念してロディー・フレイムは同作を全曲披露するツアーを行なっています。動画はその宣伝を兼ねた英BBCのTV番組に出演した時のもの。いやー、半音下げになってることと頭頂部を除けば、ホントにモラトリアム青年。何も変わってないことに驚きです。ネオアコの鏡、ですね。
90年3月に、いきなり全英3位を記録したキャンディーフリップのデビュー曲。もちろんビートルズのカヴァーですが、この曲の登場はそのまま「セカンド・サマー・オブ・ラヴ」の到来を告げるものとなりました。ちなみにCANDY FLIPとはドラッグ嗜好者の使うスラングで、LSDとMDMAを同時服用した時に起こる現象を指します。つまり、明らかにソレもんの曲なワケです。 Candy Flip / This Can Be Real (Jun. 1990)
86年デビューのグラスゴー出身バンド、スープ・ドラゴンズ。別に彼らだけに限らないんですが、この年の夏、あらゆる英国のバンドがこんなクラブ・オリエンテッドな音を出そうとヤッキになっていました。曲はもちろんストーンズのカヴァーで、全英5位の大ヒットになりました。 DNA Feat. Suzanne Vega / Tom's Diner (Jul. 1990)
ご承知のように、オリジナルは84年1月発表の、スザンヌ・ヴェガのフォーク・ソング。そちらは日本ではコーヒーのTVCMソングとして馴染みがありますが、世界的にはそんなに有名ではありませんでした。が、90年にニック・バット&ニール・スレイトフォードという2人組DJコンビ(=DNA)がリミックスを制作。ブートの時点でラジオ界隈で大きな話題となり、公式リリースされるやいなや全英2位の大ヒットとなっています。 The Dream Academy / Love (Dec. 1990)