大ヒットアルバム『NUDE MAN』収録の「逢いたさ見たさ病める My Mind」をBGMに使用した、ナショナルのミニコンポ風ラジカセ「THE 3RD」CMには、サザン本人が出演しています。同年サザンは、同製品のCMの続編に加え、ハンディーカセットプレイヤー(言うなればナショナル製“ウォークマン”)「WORLD WAY」のCMにも出演しています。
ビクター CDian(1988)
さて、80年代後半になるとラジカセは一気に様変わりを迫られます。CD時代となったことで、本体のメイン・スペックが(カセットやラジオではなく)CD再生機能へと変わることになったからです。CD=デジタルメディア故に、ラジカセにも新しい宣伝文句が用意されました。そのひとつが「重低音」です(他社も同様:例としてこんなのもあり)。こちらは88年、バクチク「JUST ONE MORE KISS」を使用したCM。バクチクは91年にもビクターのラジカセ「CDioss」CMにも出演、そちらでは名曲「JUPITOR」が使用されています。
今回の「放送局」はウォーカー・ブラザーズの特集です。66年の「THE SUN AIN'T GONNA SHINE ANYMORE(太陽はもう輝かない)」が大ヒットしたことでおなじみですが、米国人グループなのにイギリスで大人気、ブラザーズ名義なのに誰も兄弟じゃない、なんていうヘンテコなキャリアの持ち主でもあります。日本でも大人気のウォーカー・ブラザーズですが、今回は「日本じゃほとんど誰も見向きもしない」70年代以降のキャリアをおさらいしてみました。(2015年3月20日更新分/選・文=大久)
The Walker Brothers / No Regrets (1975)
67年にグループを解散したウォーカー・ブラザーズ。その後スコット・ウォーカーはソロへ転じて欧州中で大成功を収めていますが、74年末に急遽「ブラザーズ」をリユニオン。こちらの曲で75年秋にカムバックを果たしています。曲は68年のトム・ラッシュによるフォーク・ソングのカヴァー。ちなみにこの動画はアルバム・ヴァージョンでして、シングル版でジョン・ウォーカーが務めていたハーモニー部分が、こちらでは女性コーラスに差し替えられています。 The Walker Brothers / We're All Alone (1976)