71年の『世界を売った男』セッションで残されたボツ曲。元々はボウイが16歳の時(1963年)に書かれた曲でした。16で「人生に疲れた」って歌うのもどうかとは思うのですが、この曲は時を経て1980年、ボウイ33歳の時にアルバム『SCARY MONSTERS』収録曲「IT'S NO GAME」として生まれ変わったことは言うまでもありませんね。
73年発売のアルバム『ALADDIN SANE』は、元々そのタイトル『A LAD IN VAIN』が二転三転して付けられたタイトルでした。で、こちらの曲はその大元となる曲。まだ歌詞もなにも決まってないものです。この曲は結局楽曲としては完全にボツになりましたが、一部のアレンジが翌74年発売のアルバム『ダイアモンドの犬』収録曲「SWEET THING」にて転用されています。
Ava Cherry / I Am A Laser (1974)
こちらは95年に(ちょっとインチキ臭いCDで)発掘されたアヴァ・チェリーのアルバム『PEOPLE FROM BAD HOME』収録曲ですが、74年当時は完全未発表でした。作詞作曲編曲プロデュース全部をボウイが担当し、彼女に提供された曲ですが、ええ、この曲も『SCARY MONSTERS』に入ってるボウイの「SCREAM LIKE A BABY」と同じ曲ですよね(歌詞はもちろん違いますが)。
ハーマンズ・ハーミッツのリード・シンガー、ピーター・ヌーンがミッキー・モストのRAKレーベルにてソロ・シンガーに転じた際、3曲目のシングルとしてボウイの「OH YOU PRETTY THINGS」を吹き込んでいます。71年頭に録音、中旬に発売され、英12位を記録しました。つまりボウイ本人版より先に録音・ヒットさせたことになります。このバージョンでボウイはピアノを演奏したとクレジットされていますが、正直眉唾もの(笑)。というのも同曲のアレンジャー、ジョニー・アーシーはピアニストでもあるからです。
最後です。以前も「アメリカン・ホラー・ストーリー」というTVシリーズで女優ジェシカ・ラングが「LIFE ON MARS」をカヴァーしたと紹介したことがありますが、同番組で彼女は再びボウイ・カヴァーを披露しています。「HEROES」完コピです。涙ものです。ボウイを「知る」ということはこういうことなのです。もちろんレディー・ガガもこのTV番組を見ただろうとは思うのですが、グラミーのアレを見る限り、彼女は少し勉強が足りなかったかもしれません。