子供の頃から格闘技好きでしたが、PRIDEでその熱は最高潮になり、PRIDE消滅と共に己の中の火も消えてしまっておりました。しかし先日当欄にて「04年PRIDE GP」の煽り映像をチラっと掲載して以降、自分の中でまたブスブスと火がついてしまったようです。そういったワケで今回は、「世界最高峰の格闘技大会」PRIDEのために、ディレクター佐藤大輔&ナレーション立木文彦という名コンビが生み出した数々のプロモ映像を、素晴らしい選曲のBGMと共にご紹介。今、この文を書いてる人間は目から汁を垂らしながらキーを叩いています(笑)。(2013年11月29日更新分/選・文=大久)
PRIDE GP 2004 OPENING
通常であれば格闘技のBGMは、はやりBPM早めのドカドカとケタタマしいロック(メタル率高し)が使われるのが常ですが、「60億分の1を決める」というコピーで開催された04年のGPに使われたメインテーマはサラ・ブライトマン「TIME TO SAY GOODBYE」でした。なおこの後、PRIDEとは全く関係のない某格闘家が、何の脈絡もなく同曲を入場曲に使用していますが、 恥ずかしいにもホドがあります。 Mirko Cro Cop vs Fedor Emelianenko PV (2005)
「戦慄のターミネーター」というキャッチコピーを持つ、クロアチアの英雄(同国の警官でもあり、テロ対策特殊部隊の教官でもあり、そして国会議員)ミルコ・クロコップは、圧倒的な人気と実力を誇りながら、PRIDEでは結果に恵まれていませんでした。頂上にたどり着く一歩手前で、いつも残酷な結果が彼を待ち受けていました。で、時を経て遂に、というタイミングで行なわれたのが05年のタイトルマッチ。煽りVも一切のナレーションを排除した、ドラマティックなモノになっています。
Mirko Cro Cop vs 美濃輪育久 PV (2006)
05年のタイトルマッチでヒョードルに惜敗し号泣したミルコ。翌年のGPに出場した際の煽りVがこちら。曲はFPM「DON'T YOU KNOW」。美濃輪育久という、ちょっと変わったキャラの日本人選手との試合ですが、2人ともキャラは違えど背負っているものはそれぞれに重いもの、ということが伺える煽りVです。余談ですが、PRIDEではBGMにFPMを使用する率が結構高く、そんなところもセンスを見せつけてくれます。ちなみにミルコ本人の入場曲は、デュラン・デュラン「WILD BOYS」。チャメっ気があっていいですね(笑)。 PRIDE 34 OP (2007)
07年、明らかに裏の世界で強引な力が働き、PRIDEという格闘技イベントは屋号と権利をすべて米国の某団体に売却、その後なんら音沙汰もなくあっというまに消滅する、という結果になりました。こちらは売却直前、PRIDE最後の大会として開催された07年4月の大会のオープニング映像。過去10年間の名場面をコラージュし、BGMにはラモーンズ「DO YOU REMEMBER ROCK'N'ROLL RADIO」のカヴァー(演奏はKISS!)が使用されています。 やれんのか OP(2007)
PRIDE消滅後、選手、スタッフともに結構な数が他団体へ流出しましたが、同年大晦日に「けじめ」としてたった1回のみ大会が催されました。残されたスタッフと選手による手作りの大会で、テレビもつかず、多くの圧力と戦いながら、2ヶ月という短い準備期間で開催されています。映像前半のBGMはアンビエント系エレクトロニカの人気アーティストKYTEの「SUNLIGHT」が、そして後半では「MAGICAL MYSTERY TOUR」のカヴァーが使用されています。後者を演奏するのはイングヴェイ・マルムスティーン&ジェフ・スコット・ソート。
*動画のリンク切れの場合はご容赦ください。
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