己に課した禁を、今回は破ろうと思います。今回の特集は「歌うヘッドライト」特集。いすゞ自動車の一社提供で1974年〜2001年まで続いた深夜ラジオ番組です。筆者は子供時代に「ANN2部」を聴けない地域で育ったので、強制的にこれを聴くことになりました。ANNとは真逆とも言える、圧倒的な大人の世界。まあそんなことはとりあえず置いといて、今は亡き「歌うヘッドライト〜コックピットのあなたへ〜」を偲びたいと思います(2016年3月18日更新分/選・文=大久)
いすゞ歌うヘッドライト〜コックピットのあなたへ〜 OP 1979年1月26日
テープフランジングを起してますね。ゆえにこの音源所持者は録音したテープを30年以上大事に持っていたという事実にも気付きます。同番組のオープニングを丸々収録した音声ですが、今から37年前の深夜放送の空気もさることながら、午前3時の長距離ドライバーという極めて狭いユーザーにだけ向けられた特異な音楽番組であることも判ります。
いすゞ歌うヘッドライト 街道CM 伊那街道
番組の構成と詳細は ウィキでもご覧頂ければと思いますが、番組中「特定の街道とそこにまつわる歴史を語り、いすゞのトラックの宣伝につなげて行く」という2分間のインフォマーシャルが盛り込まれていました。おそらく当事者(=ドライバー)でないとピンとこない内容のCM、というある意味マニアック過ぎるCMでもあります。
糸川蛍子/夜明けの仲間たち(1981)
同番組のED曲として1981年に制作された「夜明けの仲間たち」。作詞は山川啓介、作曲は三木たかし、歌ったのは当時同番組金曜のDJでもあった糸川蛍子。11年間使われ続けた曲ですが、長らく音盤化されませんでした。「CD化並びにレコード化されておらず諸般の事情により一般発売はなかった」という記載がありますが、諸般の事情てなんなんでしょうね?ですが遂に2012年、モノラル音源ながら音盤化されています。
いすゞ歌うヘッドライトED(1982)
さて今回のハイライト。82年当時の番組EDを3つ詰め込んだもの。ED曲「夜明けの〜」の後にもインフォマーシャルが入りますが、BGMはスティーヴン・シュラックス「BLUE DOLPHIN」のカヴァー音源です。もうお気づきかと思いますが、ナレーションはMr. BOOシリーズでもお馴染みの名声優・広川太一郎。ズンドコなフォーク歌謡のアレンジってやつを当方は結構ボロクソにけなすタイプなのですが、「夜明けの仲間たち」だけは例外です。
麻生詩織/夜明けの仲間たち(1992)
麻生しおりによるカバー・バージョンが、91年から同番組のED曲に採用されました。麻生しおりは当時金曜夜のDJを務めていた人でもあります(余談ですが、同時間帯の前任者はマルシア)。うーん。時代・・・ですね。けして悪くないですよ。でもね、コレジャナイ感がハンパないです。こういうFMパッド的な音とは対極にある曲/番組なんですよね。
いすゞ歌うヘッドライト 最終回
98年以降は1時間番組へ短縮、そして前述通り、同番組は2001年に終了となります。同時間帯の新番組は、創価学会が提供する「あなたへモーニングコール」という音楽番組へと変わりました。そうそうそういえば、当時の深夜〜早朝番組は宗教団体が提供する番組がいろいろありましたよね、なんてことも思い出されます。それはともかく、こちらがその01年9月29日OAの最終回ED部分です。
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