クラシック音楽の敷居の高さにときどき躊躇する方というのは多いんじゃないかと推測します。実は当方もそのクチでして、聴けばそれなりに楽しいのに、のめり込むほどになったことがあまり無いんです。でもその「それなりに楽しい」のキッカケというべき機会は巷に豊富に溢れていますよね。というわけで当方は、こんなカンジでムソルグスキーに親しんだりしています。今回の聴き比べのお題はもちろん「展覧会の絵」から「THE OLD CASTLE」です。我ながら邪道、ですよね。でも楽しいですよ。(2012年5月11日更新分/選・文=大久)
Berlin Philharmonic Orchestra conducted by Karajan / Ilvecchio Castello (1986)
40年代後半に、スロー・ブルース(と当時は呼ばれたのだそうです。でもプレスリーの登場以降急速にこのスタイルは廃れたとのこと)、ジャイヴ・スウィングのシンガーとして人気があったロイ・ブラウンの人気曲です。もちろんこの曲はエルヴィスの代表曲にもなり有名ですが、当方的にはロバート・プラント率いるハニードリッパーズの「ROCKIN' AT MIDNIGHT」(一部歌詞と題名を変えてるが同じ曲)が思い起こされます。
Phil Phillips / Sea Of Love (1959)
ハニードリッパーズと言えばこの曲を出さないわけにはいきません。なんとロバート・プラントの「一番有名な曲」はツェッペリン・ナンバーでもグラミーをとったカントリー作品でもなく、この「SEA OF LOVE」なんだそうです。他にもイギー・ポップ、トム・ウェイツ、キャット・パワー等もカヴァーを残してますね。フィル・フィリップスのオリジナルは59年にチャート2位まで上がった大ヒット曲ですが、印税は買い取りだったそうで、本人はちょっとだけまとまったお金を受け取ったあとは一銭も得ていない、とのこと。