2012年6月15日(金)

Message from ROGER NICHOLS
ロジャー・ニコルスからのメッセージ



 前作「フル・サークル」から約五年、ロジャー・ニコルス&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ待望のニューアルバムの制作が本格始動。今回より不定期ながらロジャーから届く最新映像を紹介していく。
 前作完成直後より定期的に彼とデモのやりとりをしてきたが、ようやく楽曲が出揃い、ここにアルバム制作を発表出来ることになった。今秋の発売を目指しているが、まだ正式な発売日は確定していない。続報はどこよりも早く本サイトでアナウンスする予定だ。
 今回も前作と同じスタッフで制作を進めており、収録曲はポール・ウィリアムスとの新曲や60年代に書かれた未発表曲、他アーティストへの提供曲など。乞うご期待!
︵濱田高志=アンソロジスト︶




ウチの本棚
[不定期リレー・コラム]第4回:川村 寛の本棚

 過去のコラムを見ると本棚がない方も書いているようだが、私はいくつか本棚がある。いつも一杯で時々処分をしては、空いたところに新しい本を入れてきた。でも、本は絶えず増え、はみ出た本を玄関も含めあらゆるところに置くので家人に文句を言われながら何とか維持している。本の処分の際にどうしても古い本を残す場合が多く、見る人によっては古本屋のような状態といわれるかもしれない。そんな本棚の一部をクローズアップして少しだが紹介

してみよう。自分の仕事と関係のある手塚治虫の全集は77年から購入し始め、97年に400冊になって本棚の手前と奥と2段に収めたので、仕事で本を探す時は、前側の本を一度出さなければならずとても大変。最近の手塚復刻本は自分で作った本だけでなく他社の本もすべて、本棚に入らず積んだ状態になっている。
 70年代前半に買った本で小田実の全集「小田実全仕事」は、ダンボール箱の装丁で、べ平連の活動をしていた彼の質実な感じが出て

いて好きな造本。「何でも見てやろう」という体験旅行記は、米国を振り出しに1日1ドルで世界を一周するもので、後の「青年は荒野をめざす」(五木寛之)、「深夜特急」(沢木耕太郎)などのさきがけ的作品。
 犀のマークの晶文社からは60年代後半から70年代にかけて若者に支持された貴重な本が沢山出ていた。特に植草甚一のエッセイ集は、好きなことを自由にやっても生活できるのだ、と思わせてくれ勇気が出た。後に晶文社から植草全集が出ることになる。また、晶文社から出たものに「WONDER LAND」(3号から「宝島」に変更)があり、これは植草甚一が編集した幻の雑誌といわれている。73年から74年にかけて6冊刊行された。音楽を中心に若者文化を斬新な編集でまとめたもので、創刊号の執

筆者を見ただけでも、植草甚一、片岡義男、筒井康隆、淀川長治、天沢退二郎、小林信彦、室谷憲治、淺川マキ、白石かずこ、田川律、加藤和彦などなど。たった6冊しか出ていないが、多くの人に影響を与え後のサブカル文化確立の一翼を担った功績は大きいと思う。丁度このころ私は漫画家・杉浦茂を訪問したことがあり、この雑誌の表紙(4号)を描いているんです、と本人から聞いている。
 さらに古く60年代の本で「異色作家短編集」という

のがある。これは翻訳シリーズで、訳者が開高健、星新一、中村真一郎など錚々たるメンバー。不思議な読後感を与えてくれる作品群だ。2005年から新装版が出ている。
 いつもこんな古い本を読んでいるわけではない。中高年の教養書といわれる池波正太郎、藤沢周平など時代小説を枕元において日々楽しんでいる。池波作品はリイド社の漫画まで読んでいる。
(川村寛=小学館クリエイティブ)



AKB48の篠田麻里子は手塚治虫の描く動物に似ている !?

 ウェブなのでウェブの話題をと思い、手前味噌で恐縮ですが、AKB48の篠田麻里子が手塚治虫の描く動物に似ているというMY発見について少々。
 1月のある日、ふと思いついてツイッターに書き込むと(*1)、あっと言う間にリツイートと「お気に入り」登録がうなぎのぼり。リツイートは3300、お気に入りは1300を超えた。多くの人が漠然とイメージしていたことを短く的確に言語化できるのは最高の仕事だと思っているので、素直に喜んだ。一連の流れは〝「篠田麻里子って手塚治虫の描く妙に色っぽいシカやウマに似てない?」のまとめ〟(*2)に記録してある。
 和登サン(『三つ目がとおる』)、サファイア(『リボンの騎士』)、ピノコ(『ブラック・ジャック』)、

マリア(『やけっぱちのマリア』)、メルモ(『ふしぎなメルモ』)といった人間キャラのほうが似ているのは当たり前。しかし、手塚先生のマンガでは人間の女性よりも動物のメスのほうが色っぽいな~と何十年も思っていたので、篠田麻里子のスラッとしたスタイルや清潔感のある色気を、あえて先生の描いたシカやウマの色っぽさになぞらえてみたくなったわけです。
 「ではAKB篠田麻里子主演で『やけっぱちのマリア』の実写化を!」とノッてくれた手塚るみ子さんの

ツイート(*3)をきっかけに、実写化するなら何役がいいか考えていたが、ある人から濱田岳が写楽保介に似ていると言われたのをきっかけに『三つ目がとおる』キャンパス編というのを思いついた(*4)。
 5月末、篠田麻里子さん本人にこのトゥギャッターが発見され(*5)、第2波がスタート。上記トゥギャッターの閲覧回数はそれまで2000回くらいだったが、彼女のおかげで26万を超えた。脱線して盛り上がったのが「この人はこのマンガ家の絵柄に似ている」

シリーズ。前田敦子が大友克洋タッチという声は繰り返し出ていたが、剛力彩芽=つのだじろう、ローラ=赤塚不二夫、トリンドル玲奈=藤子・F・不二雄、秋元才加=徳弘正也、栗山千明=伊藤潤二、森泉=小林まこと、土屋アンナ=鳥山明、大川隆法=つの丸(!)などケッサクな見立てが続出、再び記録した(*6)。ある人が言っていたとおり、作家ごとの絵柄を抽象的なイメージとして持ち、現実の人物の特徴を当てはめることができる人がこれだけいるのはすごいこと。日本はマンガの国だ。
 ところで濱田岳・篠田麻里子主演による『三つ目がとおる』キャンパス編、イケると思うんだけど……。ふたりとももう学生には見えないかしら?
(高岡洋詞=編集者/ライター)



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