2012年8月3日(金)

セラピー・ソング集《アルカリ少女》より
「今朝、ルージュが折れた」 水木ひろし+桜井順+舩木真弓+古川タク




《アルカリ少女》って何?

コトバはいつでもイミを背負わされてクタビレてる。
そのコトバを使うことでニンゲンもクタビレてる。
ムカシで言えば、神経衰弱。つまり脳が灰色になってる。
ここはヒトツ、コトバからイミをポンと引っぱがしてニンゲンを楽にしてやろう。ウラにナンニモ無いコトバ。ただヒビキだけが立ってる。そう言うコトバを歌うのが「アルカリ少女」なのです。経済にしか目ン玉向かない原発酸性国家を少しでもマトモな国家に戻すために「アルカリ少女」は瞑目しイノチガケで歌うのです。アラブの春はドコ行った?薔薇は咲きますバラバラに。シリアはイラクそっくりだ。世界はそろそろオシマイだ。ただそれだけのことだけど。

(アルカリ少女・本舗)




キース・ジャレットと中野サンプラザ

 日本でも人気の音楽家、ピアニストのキース・ジャレットの70年代の活動を代表するグループの一つ、ビロンギング(通称ヨーロピアン・カルテット)の79年の東京公演の音源が、33年ぶりにリリースされました。ビロンギングは、キース・ジャレットがノルウェー出身の二人のミュージシャン、ヤン・ガルバレク(サックス)、ヨン・クリステンセン(ドラムス)と、スウェーデン出身のパレ・ダニエルソン(ベース)の4人で

結成、74年に「ビロンギング」、78年に「マイ・ソング」と2枚のアルバムをリリース、79年4月2月から21日まで「ビロンギング・イン・コンサート」と題して日本各地で全13公演のコンサート・ツアーを行なっています。それに伴いプロデューサーのマンフレッド・アイヒャーとレーベルのハウスエンジニアであるヤン・エリック・コングスハウクというECMサウンドの根幹の2人が来日、中野サンプラザで行われた東京

公演がライヴ・レコーディングされました。しかし、この音源はすぐにはリリースされず、ファンの間では長く「伝説のコンサート」と呼ばれていたのです。しかし10年後の89年、コンサートの一部が「パーソナル・マウンテンズ」というタイトルで、ECM創設20周年記念盤としてリリース。内容はとても素晴らしく、各楽器がホール全体に響き渡り、「さすが中野サンプラザ!」と言いたくなるようなサウンドでした。
 そして今年7月、33年の時を経て、4月16日におこなわれたライヴが、「スリーパー TOKYO、APRIL 16、1979」というタイトルでリリースされました。今回マンフレッドとヤンの2人が新たにミックスしたということで、ホール全体の響きを残しながらも楽器の生音を際立た



SLEEPER - TOKYO APRIL 16 1979
ユニバーサル ミュージック クラシック 8月7日発売 CD2枚組 全8曲収録
〈ディスク1〉
1. パーソナル・マウンテンズ
2. イノセンス
3. ソー・テンダー
〈ディスク2〉
1. オアシス
2. チャント・オブ・ザ・ソイル
3. プリズム
4. ニュー・ダンス
せた、美しくも力強い2012年版ECMサウンドを楽しむことができます。2人は33年ぶりに中野サンプラザの響きを聴いて、何を思ったのでしょうか?「やっぱりビロンギングは、これだろう!」と感じてもらえたら、これほど嬉しいことはありません。
 中野サンプラザは73年の開館以来、NHKホールと並んで東京の音楽シーンを支えてきました。ビロンギングのコンサートから一年後の80年5月1日、山下達

郎が初めて中野サンプラザのステージに立ち、以後30年以上にわたってホーム・グラウンドにしています。現在、中野サンプラザは隣接する中野区役所一帯の再開発に伴い閉館する方針であることが発表されていますが、そんな中、33年ぶりに「伝説のコンサート」を最高の音質で聴くことができるのは、大変幸せなことだと思います。「ECMアリガトウ!」
(土屋光弘=ラジオ番組制作者)



てりとりぃアーカイヴ(初出:月刊てりとりぃ#4 平成22年6月26日号)
幻の「進め正太郎」

 「鉄人28号〜白昼の残月」DVD版を見た。オープニングで「進め正太郎」が流れる。なつかしい。私がこの歌を作詞したのが1964年。まだ学生のころで、冗談工房も健在だった。
 朝日ソノラマが曲だけだった「正太郎マーチ」を歌にしたいと三芸(冗談工房等の管理会社)に言ってきて、私が指名された。当時CMソングの作詞はやって

いたものの、世に発売される音盤の仕事は初めて。作詞家としてのデビューである。このあたりの話は講演もどきの場で何度も「曲を聴いているうちにすらすらと〝進め進め正太郎〟の言葉が浮かんだ」と語ってきている。
 その作詞家初仕事から数十年。久しぶりに聴く「進め正太郎」はなにやら私の記憶と違った。「進め進め」

の次は「正太郎」となるはずなのに、別のフレーズが歌われている。「空へ海へ」と聴こえる。ガーン。
 これってもしかしたら別の作詞?別の作詞家?あわててウェブで歌詞を検索すると、どれも歌い出しは「進め進め空へ海へ」だ。ええーーっ?私が作詞した「進め進め正太郎」はいつから変わってしまったの?
 ご存知のように「正太郎マーチ」の冒頭は「タタタ/タタタ/タタタタター」である。「タタタタター」に「正太郎」はすんなりはまる。しかし「空へ海へ」をはめるというのはかなり乱暴で、プロならやらない。言葉を詰め込むのは素人だ。
 YOUTUBEに「進め正太郎」が発表された当時の映像があった。「みなさん、正太郎のうたに歌詞ができました」とナレーションがあって、歌が始まる。

なんと「空へ海へ」と歌ってる!
 ははん。テレビで紹介する時点で歌詞が変えられたのか? かくなる上は発売当時の朝日ソノラマを見るしかない。が、ダンボール箱の山の中だ。
 で、山中捜索3日。遂に発見。1964年3月15日発行。早速、詞を。
 ガクッ!「空へ海へ」と書いてあるぞ。もう最初っからこれだったんじゃないか。ううむ。
 数十年にわたり、私の中で鳴り続けた「進め進め正太郎」は、いったい何だったのだろう。「てめえの勘違いだ。ボケッ」と天の声がきこえる。いつのまにか私は自分の詞を自分で補作して覚えていたのか。「老年ボケ易くガクッとなり易し」、今日から座右の銘とする。
(伊藤アキラ=作詞家)



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