貴重映像です。76〜77年、ドイツのベルリンに移り住んだデヴィッド・ボウイが、ベルリンの壁のそばにあったスタジオ「ハンザ・スタジオ」の中で、アルバム『HEROES』収録のインスト曲「SENSE OF DOUBT」のフレーズをヒネリ出してる、という図。 たったひとりしかいないのに、スゲエ緊張感がこの映像からも伝わってきますよね。ボウイのおかげで同所は有名なスタジオとなり、以降一風堂が『REAL』(80年)で、加藤和彦が『うたかたのオペラ』(80年)でも録音に使用した場所です。 Robert Fripp / Frippertronics Demonstration (1979)
フランスのTV曲が密着取材で撮影した動画。ピーター・ガブリエル氏がフェアライトCMIを実際に使ってみた、という内容です。フェアライトのCMIというこの機材は、乱暴に言ってしまえば世界で初めてサンプリング音源を使ったシンセサイザー、というシロモノ(1980年発売)で、画面に向かってタッチペンで音色波形を実際に書き込む事もできる、という画期的な機材でした。さすがピーガブ先生、いきなりヘンテコな音を録音してて笑えますね。 Allan Holdsworth Interview and SynthAxe Performance
1986年、シンタックスという名前のヘンテコな楽器が開発されました。一見するとギターですが、今みると性能の悪い掃除機にしか見えません。簡単に言えばこれは「ギターと同じ感覚で操作できるシンセ・コントローラー」で、正直この機材を使いこなせたのはアラン・ホールズワースくらいしかいませんでした。賢明なギター・プレイヤーであれば「こんなの使うくらいなら鍵盤覚えたほうが早いよ」とすぐに気付いてしまう、という珍品ではありますが、今もアラホ・ファンには絶大な人気を誇るレア楽器です。 Michael Jackson visits Isao Tomita (1987)
「GEORGIA ON MY MIND」や「HEART AND SOUL」でも有名な作曲家、ホーギー・カーマイケルによって1927年に作曲された「STARDUST」。実はこの曲は彼が夜中星空の下を歩きながら元カノのことを思い浮かべて作曲した、という話が残されています。ったく(笑)。最初の録音は27年10月31日で、カーマイケル本人が友人等とスウィング調で録音したインストで、シングルのB面曲でした(Gennett 78, 6311-B)。ちょっと前までその音源はYoutubeにもあったんですが、今消えてしまったようなので、ここでは30年に録音されたアイシャム・ジョーンズによるセンチメンタルなスウィング版を。
『MUSIC FROM BIG PINK』(68年)に収録された「THE WEIGHT」は、もちろんザ・バンドの代表曲ですが、翌年映画『イージーライダー』に使用されたことで広く知られるようになりました。「THE WEIGHT」は旅をする若者が、現実の社会に居場所がないことを思い知らされる、という曲で、そのテーマはそのまま映画『イージーライダー』にピッタリとフィットするものでした。歌詞中の「そろそろ潮時だ」の部分は、そのまま映画のクライマックス部分の「俺たちはしくじった」というセリフに重なりますよね。今回はその名曲「THE WEIGHT」の聴き比べ、です。(2013年6月7日更新分/選・文=大久)
Jimmy Page, Jack White & The Edge / The Weight (2009)
以前もチラリと紹介した、ギターバカによるギターバカのための映画、『IT MIGHT GET LOUD』では、エンディングロールの場面でやっと3人のスターが共演を披露します。そこで選ばれた曲が「THE WEIGHT」だったというのがもの凄く意外でした。この3人とはあまり縁のない曲のような気もするので。即席セッションなので演奏は荒いですが、3人の自宅が拝見できたり、エッジの歌が聞けたり、とやはり興味深いエンドロールであることも間違いありません。
Bruce Springsteen & E Street Band / The Weight (Live 2012)