先日、とあるお仕事で「番傘」「和太鼓」そして「10数人の女の子」に囲まれるという、当方にとっては異次元世界とも思えるような場所にお邪魔する機会があったのですが、「2013年の和モノ」とは何ぞや、なんてことをアタマに巡らせながら過ごしたひとときとなりました。そんな当方の脳内を反映し、今回の特集は「和モノ」です。まったくもって馬鹿馬鹿しい動画ばかりですが、どれも心が洗われるような爽快感を感じてしまうのは、やはり当方が日本人だから、でしょうか。(2013年9月6日更新分/選・文=大久)
VIDEO 杵家七三社中feat.佳館杏ノ助/和楽・千本櫻(2012)
ニコ動で話題を呼んだ、和楽器集団「杵家七三社中」。ゴツい和モノ演奏で、アニソンとか初音ミク楽曲を真面目に演奏するそのスタイルが大人気です。杵家七三社中はボカロ・カヴァー・アルバムも発売していますが、中でもブッチギリのクオリティーを誇るこちらのPVをご紹介。杵家七三 さんは長唄三味線/現代邦楽三味線の演奏家として、国内・海外にて活躍するベテラン、とのこと。
VIDEO 蜷川べに/千本桜(2013)
ちょっと杵家七三社中ヴァージョンは本格的すぎて比較出来ないのかもしれませんが、「千本桜」はやはり現代を代表する「和モノ」の一曲です。というわけでこちらは津軽三味線プレイヤー、
蜷川べに 嬢によるカヴァー。ウヒョー! なんというパンキッシュな女性でしょうか。しかもバカウマ。こんなコトをやられてしまったのでは、数多のパンク・ミュージシャンは土下座するしかありません。カッコよすぎますよね。
VIDEO Tokyo Story/外人任侠伝〜東京事変(2013)
さて、さらに輪をかけて驚愕モノの動画を1本ご紹介。ヴァン・ヘイレンのヴォーカリスト、デヴィッド・リー・ロスは、実は昨年から今年の春にかけて実際に日本に住んでいたほどに親日家です。その主な理由は「武道への関心」のようですが、今年の5月、前触れもなくイキナリこんなショートフィルムを公開しました。出演している小錦はデイヴの個人的な友人でもあるそうですが、ちょっと「遊び」というには金かかり過ぎな気もしますね(笑)。ダイヤモンド・デイヴに関しては、また機会を改めて特集をしようかな、と思ってます。
VIDEO Mike Penny / Anpan Man March on Shamisen (2009)
こちらも青い目をした方による「和モノ」解釈。三味線奏者
マイク・ペニー さんは、掲載した「アンパンマン」のカヴァー動画を筆頭に、日本のアニソンとか、ラフマニノフとか、ジプシージャズとか、独自の解釈であらゆる曲を津軽三味線でアレンジ&カヴァーしまくる人で、既にオリジナル動画を100本以上YOUTUBEにアップしまくっています。次は是非、ボカロ楽曲に挑んで欲しいものですね。
VIDEO Gipsy Kings / Inspiration
オマケ。ちょっとベタですが、やはり名作時代劇「鬼平犯科帳」のEDは、それはもう「Get Wild」を使った「シティーハンター」EDにも匹敵するような、歴史に残る演出だと思っております。日本の美しい四季模様に最もマッチしたのがジプシーキングスのインスト曲だった、という点は今でも驚きを覚えてしまいます。例えば北野武監督のように、時代劇にて意欲的な和洋折衷演出を試みる例は数多くありますが、正直この「鬼平」のEDを超えるものはまだお目にかかれていません。
VIDEO 白羽玲子/ラブレター(2005)
オマケその2。着物を来ているワケでも三味線を持っているワケでもありませんが、この曲を聞くたびに「ああ和モノだあ」と当方個人が強く感じてしまう1曲です。05年テレビ朝日系ドラマ「特命係長・只野仁』のED曲として使用されたこちらはもちろんブルーハーツの89年発表曲のカヴァーですが、歌唱、歌詞、アレンジ、全てから「日本独特」なエレメンツに溢れてます。同曲でデビュー、その後雅夢のカヴァー「愛はかげろう」を発表し歌手活動を終えた彼女があの「真空飛び膝蹴り」の沢村忠の実の娘さんで、一時期「桜っ子クラブ」のメンバーであったことも有名かと思われます。
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