ブーツ。イギリスのアチコチにある薬局チェーンです。日本でのマツキヨに近いかも知れませんね。必殺の家族ネタ、というワケでもうキュンキュンに胸キュンなCMとなっております。ちなみにこのホクホクさせられるBGMはアレキシ・マードックという英インディー・アコースティック・シンガーによるもので、デビュー盤に収録された「SONG DOR YOU」という曲。
イギリスを代表するアパレルといえばもうそれはバーバリーですよね。バーバリーが英国工場を全て閉鎖し中国工場に一本化した、というニュースは当方をとても悲しませましたが、まあそんなことはともかくキャメルカラーのタータンチェックは150年以上の歴史を誇ります。で、そのバーバリーの今年のXマスCMは、ロミオ・ベッカム君という10歳のガキンチョが主役。うわー、お父さんとお母さんにホントそっくりですねえ彼。使用されている曲はエド・ハーコートという英ピアノ弾き語り系SSWによる「THE WAY THAT I LIVE」という楽曲。
クリスマス特集。最後となる今回はバンド・エイドの特集をやります。既に各報道でも広く伝えられたように、今年あのバンド・エイドが30年振りに復活、新レコーディングによる「DO THEY KNOW IT'S CHRISTMAS?」が発表されました。そんなこともありまして、バンド・エイドの30年間をちょっと振り返ってみようと思います。(2014年12月12日更新分/選・文=大久)
Band Aid / Do They Know Its Christmas (1984)
オリジナル。プロデュースはミッジ・ユーロ(ウルトラヴォックス)。正面からアフリカの食料問題/この年起こったエチオピア大飢饉を扱った楽曲なので、いわゆる一般的なクリスマス・ソングとはベクトルの向きが違います。ボノが歌い上げた部分は「それ(犠牲者)が君ではなく彼らだったことを今夜は神に感謝しよう」という、あまりにも逆説的なアイロニーでした。ちなみに同曲の12インチ盤をリミックスしたのはトレヴァー・ホーン。 Band Aid 2 / Do They Know It's Christmas Time (1989)
オリジナルから20年を経た04年、バンド・エイド20というプロジェクトで同曲は再録音されることになりました。前年から大きくなったスーダンのダルフール紛争で40万人が(民族浄化の名のもとに)虐殺されていることへの抗議チャリティーとして発売されました。プロデュースを担当したのはレディオヘッドやトラヴィスでおなじみのナイジェル・ゴドリッチ。動画でも出てきますが、ポール・マッカートニーがベースを弾いています。 Band Aid 30 / Do They Know It's Christmas? (2014)
そんな継続的な活動を続けるバンド・エイド基金。ことしは30年目という節目でもあり、さらにエボラ出血熱の問題が世界に広まったこともあり、今回のカヴァーは世界中で大きく報道されました。歌詞が(今向けに)書き換えられていることもそうですが、なんといっても今をときめくワン・ダイレクションが大々的にフィーチャーされていることも話題に。プロデュースは(アデルやコールドプレイでおなじみの)ポール・エプワースですが、リミックスを担当したのはアンダーワールド。 Do They Know It's Christmas Parody on 22 Minutes
最後はオマケ。85年に「CRACKERS - THE PARTY ALBUM」というカヴァー企画盤をリリースしたスレイドが同曲をカヴァーしています。以降、パンク版とかHR版とか多くのカヴァーが生み出される状況は今も続いていますね。もちろんそれらのロイヤリティーは全額バンド・エイド基金へと収められています。