今回はフィリー・バラードの大定番、「LA-LA MEANS I LOVE YOU(ララは愛の言葉)」の聴き比べをやってみます。オリジナルは68年デルフォニックス。トム・ベルというライター/プロデューサーが大きく羽ばたくきっかけとなった曲でもあり、そしてもちろんフィリー・ソウルの誕生の瞬間ともいえる歴史的な録音物です。で、その名曲はその後どう歌い継がれたか。ジャクソン5、トッド・ラングレン、プリンス、ローラ・ニーロ、山下達郎等といった大定番バージョンもありますが、ここではもうちょっとマイナーなモノに目を向けてみました。(2015年4月3日更新分/選・文=大久)
さて、90年代に同曲をカヴァーしたモノの中で最も有名なのはやはりこちらのスイング・アウト・シスター版かと思われます。前作でバーバラ・アクリンのカヴァーを大ヒットさせたSOSが、今度は70年代ソウルにガッツリとシフトチェンジしたことを示したこちらはレイ・ヘイデン・プロデュース。動画は東京でのライヴ音源ですが、よりニューソウル時代を色濃く意識したアレンジだとおわかりいただけるかと。 Bill Frisell / La La Means I Love You (2007)
ザ・スミスのライヴEDではシャーリー・バッシー「YOU'LL NEVER WALK ALONE」が流れてた、と以前書いたことがありますが、彼らのライヴのイントロダクションではプロコフィエフ「ロミオとジュリエット」の「騎士たちの踊り」が流れていました。ライヴ盤『RANK』でもチラっと収録されているので確認できますが、こちらの動画は別の日のライヴでのフルOPバージョン。まさに荘厳。同曲はもちろんシャネルのTVCM(90年)やソフトバンクモバイルのTVCM(06年)で使われてたので最近の方にもお馴染みかと。
Sex Pistols / There'll Always Be An England (2007)
春ですね。春なのに、溜息またひとつ〜、とシンミリするのが正しい日本人の情緒というものかもしれません。が、当方の場合もうちょっとバカっぽくウキウキWAKE ME UPしてしまう季節でもあります。で、今回はデヴィッド・ボウイ「BOYS KEEP SWINGING」という曲のカヴァー聴き比べです。何故春だとこの曲なのか?にあまり意味はありません。実は先日「春っぽい曲といえば?」という問を出されて当方の出した答えがこの曲だったから、なのですが。(2015年4月17日更新分/選・文=大久)
Associates / Boys Keep Swinging (1979)
アソシエイツのデビュー盤は、79年に自主制作盤として500枚のみプレスされたこの曲でした。しかもボウイのパブリッシャーに無断でカヴァーしたという(笑)。ビリー・マッケンジー22歳、いいですね、やることがヤンチャです。ポストパンク独特のチープな音もウキウキしますね。 Susanna Hoffs / Boys Keep Swinging (1991)
タヴ・ファルコというクリエイターをご存知の方はかなりの洋楽通だと存じますが、彼に見いだされてデビューの道を開いたのがロレット・ヴェルヴェット嬢。彼女の3作目に当たる97年のアルバム『LOST PART OF ME』はT-REX「20TH CENTURY BOY」やストゥージズ「DIRT」に加えこの曲のカヴァーも収録されてました。オルタナ、ですねえ。。 Sarah Harding / Boys Keep Swinging (2009)