2012年11月23日(金)

Roger Nichols & The Small Circle Of Friends - Special Interview #2
ロジャー・ニコルス&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ、独占インタビュー動画パート2




 ロジャー・ニコルス&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズの独占インタビュー動画、後半です。「奇跡のセカンド」と評された40年振りの再結成セカンド・アルバム『フル・サークル』の制作逸話、そして今秋発売されるサード・アルバム『マイ・ハート・イズ・ホーム』について語っています。また、ジャズに根ざした彼らの音楽的ルーツや「ロジャーの作品で一番好きな曲」といった興味深い話題も語っています。余談ですが、日本から送られた質問状をロジャーが代読し、皆が答える、というインタビューとなったため、ロジャーが司会進行役を兼ねる形になっています。アルバムに収められた美しいハーモニー同様、ここでも息の合った3人のやりとりをお楽しみ下さい。
(文・編集部)
Roger Nichols & The Small Circle of Friends
「週刊てりとりぃ」読者プレゼントのお知らせ


 SCOFメンバーの直筆サインを抽選で1名様にプレゼント致します。ご希望の方は、氏名・年齢、本サイトへのご意見・ご希望・ご感想をお書き添えの上、件名欄に「SCOFサイン希望」と記入し、下記メールアドレス宛に送信して下さい。なお、匿名での応募は無効とさせて頂きます。 territory.tvage@gmail.com
締め切りは11月26日(月)、当選者は11月29日更新の「週刊てりとりぃ」にて発表致します。

池袋コミュニティ・カレッジ〈TV AGE〉講座のお知らせ

 昨年5月に続き、今月はロジャー・ニコルスを特集します。前回はロジャーの提供による貴重な音源や映像素材の紹介を行ないましたが、今回も本講座のための録り下し「ロジャー・ニコルス・メドレー」や撮り下し動画などを紹介する予定です。日時・お問い合わせ先は以下の通り。

日時:11月24日(土)18:30-20:30 受講料:2,625円
お問い合わせ・会場:池袋コミュニティ・カレッジ 03-5949-5481  
なお受講は要予約で、定員になり次第受付を終了致します。




ハート・ウォーミングでイノセントな唯一無二のハーモニー

 評価が本国と日本で著しく違っている50年代から70年代にかけて活躍したアメリカの作曲家の筆頭にあがるのはロジャー・ニコルスだろう。とはいえ、アメリカでの評価が低いのではなく、むしろ日本でのものが突出して高いぶん故の違いだろう。アメリカでは常に僚友ポール・ウィリアムスとセットになって、かつほ

とんどの場合カーペンターズが語られるときに登場する程度だが、日本では何度となく雑誌で取り上げられ、作品を集めたCDがリリースされるほど人気は高い。
 70年代から80年代にかけて、リーバー&ストーラー、バート・バカラック、キャロル・キング、バリー・マン、エリー・グリーンウィッチ、といった作家群が日

本のポップス愛好家によって研究の対象になったが、ニコルスは68年発表の自らのアルバム『ロジャー・ニコルス&ザ・スモール・サークルズ・オブ・フレンズ』が87年日本において初めてCD化されるまで一部の強力なマニアに知られるのみだった。それまでニコルス自身のレコードは日本ではLPはおろかシングルも発売になっていない。作家としてクローズアップされた事もなく、すべてこのアルバムが世に出て20年後、溜まっていた水が一気に溢れ出るような勢いでSCOF及びニコルスの作品が脚光を浴びた。自身のアルバムが1枚、作品の数もそれほど多くはないにもかかわらず多くのポップス少年、少女を魅了した。
 最新アルバム『マイ・ハート・イズ・ホーム』が届いた。相変わらずのニコル

ス節が堪能できる作品群は素晴らしい。曲そのものがいい事が何よりだ。これだけの曲を書ける作家が何年も一線で活躍しなかったことを不思議に思う。かえって浪費されなかったことがいまでも魅力的な曲を作り出せる背景にあるのかもしれない。
 何年かぶりにこの3人のブレンドされたハーモニー

を聞いてみると、他では決して味わえないSCOF最大の魅力がこの綿菓子のようにフワフワしながらも一つになっている「魔法のかたまり」であることが改めてわかる。ジェントルというのはこのようなものを形容するときに使うべきなのだろう。
 その昔ネスカフェのCMソングとして書かれた「ワン・ワールド・オブ・ユー・アンド・ミー」の透明感と力強さ両面を備えたコーラスは彼らの真骨頂である。名曲「ラヴ・ソー・ファイン」でおなじみの紅一点メリンダの声は相変わらず愛らしく魅力的でサウンドに華を添えている。スウィンギーな「ムーン・イズ・レッド」は、彼らの本格的な4ビートにのったジャズ的コーラス・ワークをさらに聞いてみたくなる。
 ハート・ウォーミングで

イノセントな唯一無二のハーモニー、絶滅危惧種というべき珠玉のミドル・オブ・ザ・ロードがデビュー後45年たっても新録音で聞ける事に深く感謝したい。きっと21世紀の少年少女を魅了するだろう。
︵宮治淳一=音楽資料館『ブランディン』管理人︶
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ロジャー・ニコルス&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ「マイ・ハート・イズ・ホーム」発売・ビクターエンターテインメント/11月28日発売/紙ジャケット仕様/高音質K2HD+HQCD盤



こういう本が好きな人は責任を持って買ってください。
ロック漫筆家、安田謙一が最新刊を自ら語る独占インタビュー

――本日は、ここ10年間に雑誌に寄稿した原稿やライナーノーツの文章などを集めた本「なんとかと なんとかがいた なんとかズ」(プレスポップ)を出版される、ロック漫筆家、安田謙一さんにお話をお聞きいたします。まず最初に、なぜ、今、こういう本を出そうと思われたのですか?
安田 パッケージメディアがいつ無くなってもおかしくないような状況の中、パッケージ流通が健全なうち

にこういう形で「ベスト」というものを出しておかなければならないんじゃという一種の危機感、切迫感があったんです。
――それって、まんま山下達郎が『OPUS』に寄せたインタビュー発言じゃないですか?
安田 ええ、そうです。まんまです。
――表紙を坂本慎太郎さんが手がけてらっしゃいますね。
安田 ゆらゆら帝国の、今

にして思えば、最後のツアーで大阪に来られた時に楽屋で「次の本の表紙を描いてください」とお願いしたのを律儀に覚えていてくださいました。
――図案は安田さんからのリクエストですか?
安田 いえ。書名だけ伝えて、それに対する完璧な坂本さんのリアクションです。表紙だけの為に買っても損はない、と思います。文章は模様だと思ってください。
――ペーパーバックで軽い

ですが、464頁というヴォリュームは凄いですね。
安田 世にはびこる断捨離ムードに立ち向かっています。
――この10年は安田さんにとってどんな時代でしたか?
安田 ちょうど前の仕事を辞めて、フリーになって、ロック漫筆家と名乗って文章を書いた時期です。おっ、これで食えるんだ、と思った時代を経て、やっぱり食えんわな、と気づかされる、

そんな10年でした。
――一冊目の「ピントがボケる音」(国書刊行会)と一番の違いは。
安田 今回は原稿をすべて自分でチョイスしました。短いものを含めて、全部で3000ほど書きましたが、そのうちの、最初は1000に絞って、さらに300強という数に落ち着きました。
――本になったものを読んで、どんな感想をお持ちですか?
安田 よく(世に)出たな、という気持ちもありますが、いつも、こういう風にまとめよう、と思ってもいました。この時勢、いろんな意味で特殊な本だと思いますが、こういうモノが好きな人は責任を持って買ってください。よろしくお願いいたします。
(インタビュー構成=週刊 不老不死編集部)
ロック漫筆の10年分、その10分の1を自選!安田謙一、セカンド・アルバム

安田謙一がロック漫筆家として生計を立てはじめた2002年〜2012年までのあいだに、いろいろな雑誌に寄稿したものを中心に、レコード、CDやDVDなどのリビューやライナーノーツ、映画パンフレット、宣伝惹句などの原稿から安田自身がチョイスした300強のベスト・オブ・ベスト文章を集めた2012年秋冬の最強の一冊!

「なんとかと なんとかがいた なんとかズ」安田謙一・著
ソフトカバー/ブックマーク(しおり)付き
サイズ:188×130mm/464ページ/表紙絵:坂本慎太郎/11月下旬〜12月初旬発売予定/定価:2,300円(税別) 発売:プレスポップ



まんが家漫画のバイブルといわれる記念碑作
藤子不二雄A『まんが道』愛蔵版が登場!


発行:小学館クリエイティブ 発売:小学館
定価:1,300円+税 第1巻/第2巻 11/20発売

▼1970年~72年にかけ『週刊少年チャンピオン』にあすなろ編、77年から82年にかけて『週刊少年キング』に立志編・青雲編が連載され、青雲編の未完部分が春雷編として『藤子不二雄ランド』の巻末マンガに継続されて完結した、著者の自伝的長編作。藤子不二雄Aと藤子・F・不二雄をモデルにしたふたりのマンガ少年が、デビューを果たして上京、トキワ荘というアパートで同世代の若いマンガ家たちと生活をともにしてプロへの道を歩む姿を感動的に描いた名作を、全10巻の愛蔵版で復刻。
▼問合せ:小学館クリエイティブ(担当:山田)03-3288-1354
▼購入特典、限定特典は、公式HPをチェック http://www.shogakukan-cr.jp/mangamichi/